第427話
水の龍たちが蒸発して起こった水蒸気爆発の威力により、ジャイアントアナコンダにダメージを与えたが、それはジャイアントアナコンダの纏う魔闘気の影響もあって、ジャイアントアナコンダの皮が広範囲に火傷する程度の傷しか与えられなかった。
それでもサフィの操る複数の水の龍がジャイアントアナコンダの身体に巻き付いていた事もあり、かなりの範囲が火傷で酷い有り様だ。
そこに追い打ちを掛ける様にアルたちは、ジャイアントアナコンダに追撃を行なっていく。
それぞれの行なう攻撃の数々が命中すれば、纏う魔闘気を突破して、ジャイアントアナコンダの皮がなくなった事で露出した肉へと攻撃が当たり、ジャイアントアナコンダは身悶えしながら身体をくねらせた。
大量の血液を流しながらも、未だに生きているジャイアントアナコンダを倒す為に、アルたちは最後の攻撃を仕掛けていく。
お互いがお互いの攻撃の邪魔にならない様にしながら行なわれるアルたちの攻撃に、ジャイアントアナコンダは反撃をする事すら許されない。
最後には魔闘気の守りもなくなり、傷だらけのジャイアントアナコンダの頭のすぐ側をシェーレのハサミに切り落とされて、ジャイアントアナコンダは倒された。
首を切り落とされたジャイアントアナコンダが、灰の山に姿を変えると、アルたちは戦闘が終わったと息を吐いた。
「ふぅ、終わった……思ったよりも俺たちの攻撃を耐えたな。」
終始一方的と言える様なジャイアントアナコンダとの戦いを終えたアルたちは、さっきまでジャイアントアナコンダだった灰の山へと移動すると、ジャイアントアナコンダのドロップアイテムを探していく。
ジャイアントアナコンダのドロップアイテムを回収したアルたちは、次にボスのジャイアントアナコンダを倒して現れた宝箱の元に向かった。
そうして向かった宝箱を開けると、そこには一本の杖が入っていた。その杖を手に持つ前に鑑定系魔法で調べる。
そして調べた結果、この杖は伸蛇の杖という装備アイテムで、魔力又は闘気に魔闘気を送り消費する事によって杖を伸ばす事が可能な杖の様だ。
呪いがない事を確認した伸蛇の杖を手に持って調べた通りに魔闘気を送る。すると、鑑定系魔法で調べた通りに伸蛇の杖は伸びていく。
その蛇の頭が持ち手に付いている伸蛇の杖が伸びると、最大が五メートルの様で、それ以上はどれだけの量の魔闘気を送っても、これ以上の長さには伸びる事はなかった。
伸蛇の杖を伸ばして戻してと色々な長さにして確かめている間に、次の十一階層へと続く門までたどり着いたアルたちは門を潜って十一階層に向かって行った。
そして門を潜った先は、膝下まで水に使ったマングローブの様な植物が至るところに生えているフィールドだった。
そんな階層をアルたちは、転移水晶が無いかを探す為に探索して行く。
事前に情報を得て入れば、転移水晶が何処にあるのかが分かっていたかも知れないが、今回は調べていない為、アルたちは特に進む方向を決めずに探索を行なった。
「みんな、モンスターだ。姿が見えないけど、あの辺りに居る。警戒しろよ。」
探知系魔法に引っ掛かったモンスターの居場所に向けて指を刺すと、アルは姿の見えないモンスターを探す為に探知系魔法の探知範囲を絞って調べて行った。
その結果、モンスターがどんな存在なのかが理解できた。
どうやらモンスターは隠れていたが、砂の中に潜っていた訳でも、透明になっていたのでもなく、生えているマングローブの様な植物そのものがモンスターだと分かった。
「トレントの一種か?みんな、どうやらトレントの様に木に化けているみたいだ。まずはどんなモンスターなのかを確認する。俺が攻撃するからみんなはどんなモンスターなのかを確認するまで手を出さないでくれよ。」
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