第426話
ジャイアントアナコンダを噛み付き咥えたクウがジャイアントアナコンダを首を回して振り回している間に、アルはサフィとラティアと一緒に戦いやすい場所に変えていく。
肩まで沈むくらい深い場所もあった沼地を土魔法で埋め立てて行き、ボス部屋の沼地を若干泥濘む地面に変えた。
その際にサフィが沼地の水を大量に操り水の龍が複数体空中を飛び、今もクウに振り回されてジャイアントアナコンダを虎視眈々と狙っている。
そして一部だけ水分が完全に抜けて硬化した地面と一メートルほどの土の棘が大量に生えている場所をラティアと作り出した。
「クウ!あそこの地面に叩き付けろ!!」
『パパ、分かったッ!!おりゃあー!!』
クウは最後に勢いを付けて、ジャイアントアナコンダを棘だらけの地面に向けて叩き付ける。
水分を抜いて固くした地面だったが、クウが行なったジャイアントアナコンダを叩き付けた一撃で地面に大きなヒビが大量に出来てしまい、そこに周囲の泥濘んだ泥が流れて行った。
そして叩き付けられたジャイアントアナコンダはというと、全身に魔闘気を纏っていた為、棘が表皮の表面に突き刺さるだけしか被害を与えられていなかった。
その為、ジャイアントアナコンダが受けたダメージは、戦闘序盤に放った魔法の数々と魔闘気を牙に纏って噛み付いて振り回したクウの攻撃、棘だらけの地面に叩き付けられた際の衝撃くらいしかダメージを受けていない様子だ。
それでも叩き付けられた衝撃を受けたジャイアントアナコンダは怯みを起こし、その隙を付いてアルたちはジャイアントアナコンダに攻撃を仕掛ける。
ジャイアントアナコンダの頭の下を分厚いハサミで挟み込んで抑えている間に、アルは剣を振るった斬撃を、ユキは頭部の宝石角に魔闘気と魔法を組み合わせた角ドリル、ラティアが牙や爪から攻撃を繰り出し、カナリが頭突きからの内部への雷撃を行なった。
そうして近接攻撃をジャイアントアナコンダに行なった事で、ジャイアントアナコンダにかなりのダメージを与えたが、それでもジャイアントアナコンダは簡単には死なず、アルたちの攻撃を妨害して防ごうと、全身から魔闘気を爆発させる様に放出した。
その影響を受けて体重の軽いアルを含めて者たちは泥濘んだ地面へと吹き飛ばされて行く。
未だにジャイアントアナコンダに攻撃を加えているシェーレとラティアに参戦する様に、サフィが操る水の龍たちがジャイアントアナコンダに噛み付きながら巻き付いて拘束し始める。
だが、水の龍の拘束は魔闘気を纏うジャイアントアナコンダには拘束の影響を与える事は出来ず、更に身体をくねらせる事で頭の下を挟んで抑え込むシェーレをジャイアントアナコンダの尻尾が襲う。
しなりながら振るわれたジャイアントアナコンダの尻尾がシェーレにぶつかると、シェーレは挟んでいたハサミを開いて尻尾をぶつけられた衝撃を受け流しながら、シェーレはジャイアントアナコンダから距離を取った。
そうして今はサフィの操る水の龍たちがジャイアントアナコンダに噛み付き巻き付いているだけで、誰も攻撃していない間に、上空を飛んでいたクウが炎のブレスをジャイアントアナコンダに吐き出した。
熱閃の様に炎のブレスを行なうのではなく、火炎放射の様に吐き出された炎のブレスはジャイアントアナコンダを飲み込み、その周囲一帯に広がっていく。
周囲の泥濘んだ地面から水気が飛んでいくなか、ジャイアントアナコンダに噛み付き巻き付いていた水の龍が蒸発して水蒸気に変わり、ジャイアントアナコンダを巻き込んで水蒸気爆発を起こして、ジャイアントアナコンダにダメージを与えて行った。
水蒸気爆発が起こる前にジャイアントアナコンダを中心に広範囲の泥濘んだ地面から水気がなくなっていた為、爆発で起こったのは衝撃波と土埃と中小の土の塊が舞い飛ぶだけだった。
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