第423話
アルが王都を通り過ぎてから一週間経ち、最上級ダンジョンの水晶大王蟹の試練がある町クライソにたどり着く。
ちなみにクライソにたどり着く前に召喚獣たちは送還しており、魔道馬車は魔法の収納空間の中に収納している。
クライソにたどり着いたアルはまず最初に冒険者ギルドへと向かった。
「思ったよりも賑わってるんだな。」
クライソの町の賑わいにキョロキョロしながら辺りを見回して進んでいると、道を歩いている人混みの声を聞いて、どうやら既にクリスタル王国の王子一行は最上級ダンジョンの水晶大王蟹の試練の攻略を始めているそうだ。
それを聞いて一足遅かったと心の中で悔やむなか、冒険者ギルドにたどり着き、冒険者ギルドの中に入る。
入った冒険者ギルドは微妙な時間帯だからか、冒険者の数は多くなく、それに伴って受け付けに居る受付嬢も数は少なかった。
アルはその内の受け付けの一つに向かい受付嬢に話し掛け、最上級ダンジョンの水晶大王蟹の試練の攻略を行なっても構わないのかを聞いた。
「クライソにある最上級ダンジョンに入るには資格が必要です。」
「これですよね。」
水晶大王蟹の試練鍵を収納空間から取り出して確認する。
「それです。ですが、時期が悪かったですね。今はクライム王子一行が攻略をしているので最上級ダンジョンに入るにはギルド長の許可が必要なんです。」
「そうなんですか。」
もっと早く王子一行よりも早く到着していれば、最上級ダンジョンの水晶大王蟹の試練の中に籠って攻略を行なえたのにと悔しく思う。
「それならギルド長に許可を貰えませんか?」
「分かりました。ギルド長に会えるかを聞いて来ます。少々お待ちください。」
それからアルは受付嬢が戻るまでの間待つ事になり、そうして戻って来た受付嬢に連れられてギルド長室へと向かった。
そしてギルド長室に入ったアルはギルド長から最上級ダンジョンの水晶大王蟹の試練へ入る為の許可を取る事になる。
まずギルド長に真偽の水晶を渡されたアルは、クライム王子一行に対して攻略の協力をするかの有無を聞かれた。
これに対してアルは協力しない事を告げると、真偽の水晶は青く光を放ち、アルが協力する気がない事が分かった。
次に質問された内容はクライム王子一行に被害を行なうかの有無だった。
それに対して否定すれば、また真偽の水晶は青い光を放つ事になる。
それからもクライム王子一行に関係する事ばかりを聞かれる事になり、そうして最後の質問に答えてからアルはギルド長から最上級ダンジョンの水晶大王蟹の試練に入る許可を得る事になった。
この最上級ダンジョンの水晶大王蟹の試練に入る許可を得る為に、ギルド長から行なわれた質問攻めに疲れ果てたアルは、ギルド長室から外に出ると、受け付けに向かい受付嬢から召喚獣も泊まれる宿屋を聞いた。
そうして召喚獣も泊まれる宿屋で部屋を一室取ると、アルは召喚獣たちを召喚する。
「明日から最上級ダンジョンの攻略だ。だから今日はゆっくり身体を休めよう。」
そうアルが言うと、ここまで移動ばかりで身体を動かせていないから動かしたいとラティアたちが言う。
「確かに身体を動かせていないな。それなら冒険者ギルドに戻るか。でも、全力で身体を動かす事は出来ないからな。それは理解してくれよ。」
ユキたちがアルの言葉に納得すると、ぬいぐるみサイズのユキたちを連れて冒険者ギルドへと向かった。
それからぬいぐるみサイズのままだが、冒険者ギルドの訓練所で身体を動かして行き、昼食を訓練で身体を動かし終わった後に受付嬢から聞いた飲食店で食べると、クライソの町の武器屋や防具屋などの冒険者が利用する店を回り買い物をしながら、この日は過ごして行くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます