第413話
シェーレのハサミで打ち付けられた大剣は弾き飛ばされ、オークキングとは別の方向へと飛んで行くなか、空中で身動きがまともに取れないオークキングに向かってトドメの一撃をクウが放った。
限界まで収束させたブレス攻撃は高火力の熱閃となり、オークキングの防具を貫くと、オークキングの身体を貫通して穴が開いた。
そのまま空中から落下したオークキングは何度かバウンドして行き、そのまま立ち上がろうと身体を動かすが、オークキングは途中で身体から力が抜けて倒れると、それ以降は動く事なく身体を灰へと変わって行く。
こうしてアルたちは迷宮都市スリンカの上級ダンジョンの攻略を終えるのだった。
戦闘が終わるとアルたちは一度集合して集まった時、クウが自分からドラゴンアーマーを脱ぎ始める。
いきなりドラゴンアーマーを脱ぎ出したクウにアルも含めて驚いたが、その後に起きたクウの進化により驚く。
クウの進化が終わる前にクウが脱ぎ捨てたドラゴンアーマーを回収すると泥汚れを取り除いた。
「まだ掛かりそうだな。ラティア、この辺りの整地を頼む。」
『かしこまりましタ。』
ラティアが土魔法を使って地面の整地を行なうと、硬く乾いた地面にドラゴンアーマーを置いて魔法を使ってモンスターのドロップアイテムを回収を始めた。
ボス部屋の範囲は広く、また現れたモンスターの数も多かった。その為、折角回復した魔力をごっそりと消費してボス部屋の中のドロップアイテムを回収した。
「はぁ、はぁ、はぁ、ふぅ……少し休む。みんな、今さっき集めたドロップアイテムの仕分けを頼んだ。」
『分かったのです!』『分かりました、あるじ様。』『かしこまりましタ、マスター。』『仕分けるメー!』
召喚獣たちがドロップアイテムを仕分けている間に、アルは魔力回復用の魔法薬を取り出して飲みながらクウの様子を見るが、クウはまだ進化の途中だった。
それからドロップアイテムとして使えない物は取り除かれた結果、使えるドロップアイテムの数は今回のボス戦で倒したモンスターと比べて少なかった。
それでもボスモンスターのオークキングのドロップアイテムがオークキングの肉だった事は嬉しい。
噂だがオークキングの肉はかなり美味しく貴族たちが高値で取引している肉らしいからだ。
そんな美味しい肉で今日の上級ダンジョン攻略完了パーティーをしようと思いながら仕分けの終わったドロップアイテムを魔法の収納空間に収納が終わった時にクウの進化は終わりを告げる。
そしてようやく進化を終えたクウはキッズドラゴンへと進化した。今のクウは二十メートルサイズの大きなドラゴンだ。
『パパ!私、進化したよ!!』
「おめでとう、クウ!」
アルが進化したクウに祝福の言葉を言うと、それに続く様にユキたちもクウに語り掛ける。
レッサーキッズドラゴンと比べてクウの進化した先のキッズドラゴンの大きさは四倍はあり、そんなクウから感じ取れる力はユキたちと比べてもそこまで変わらない。
やはりドラゴン系モンスターは強いと確信するなか、進化したクウにドラゴンアーマーを渡した。
「サイズ変化の効果があっても駄目そうだな。ドラゴンアーマーを強化する必要があるけど、どうやって強化しようか。」
ドラゴンアーマーを装備したクウを見上げながらアルは考える。今のクウの大きさだとドラゴンアーマーはクウの身体の一部だけしか展開されていない。
このままだとクウの防具としてはドラゴンアーマーは使えないだろう。
『マスター、折角ですからドラゴンアーマーをクウの武器として加工するのはどうですカ?それなら今のドラゴンアーマーを加工するだけで済みまス。』
「うーん、そうだな。そうしよう。」
ラティアのアイデアを採用して今のドラゴンアーマーはクウの武器に加工する事にする。
だが、今回は協力魔法で一掃したから勝てたが、それはダンジョン内だから行なえた魔法だ。
あの規模のモンスターや瘴気獣たちとの外で戦った場合の被害を考えると、他の方法も考えないといけない。
そんな事を考えながらアルはユキたちを連れて宝箱の元へ移動して行った。
……………………………………………………
新しく作り直した作品があります
・怪異溢れる世界
以上の一作です
時間がある方は読んでくれると嬉しいです
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます