第411話
大規模なオークキング率いるハイオーク、オークジェネラル、オークセージの部隊が行進して来るなか、アルとユキとサフィとカナリはお互いに意識を共有しながら広範囲協力魔法の準備を進めて行く。
だがやはり、大規模な協力魔法だからか、ハイオークの弓持ち部隊とオークセージの魔法部隊からの攻撃の方が協力魔法が完成するよりも早かった。
降り注ぐ矢や放たれる魔法の数々がアルたちを襲って来る。そんな中で前衛の防衛を任された三匹が矢や魔法の数々を吹き飛ばして対処していく。
そうして協力魔法の準備を行なっていたアルたちの元には一度も攻撃は来る事なく、アルたちは協力魔法の準備を終えた。
「ラティア!協力魔法の発動後、結界を展開してくれ!!」
『分かりましタ、マスター。』
「ユキ、サフィ、カナリ、やるぞ!!」
『『『おおー!!』』』
「『『『水風天雷!!!』』』」
ユキが風魔法を、サフィが水魔法を、カナリが雷魔法を、そしてアルが三匹の魔法をまとめて整えて行った協力魔法がオークキング率いるモンスターの群れへと発動し、それからすぐにラティアが結界を展開した。
アルたちの協力魔法が発動すると、まず始めに風が吹き始める。次にポツポツと雨が降り始め雷が鳴る。段々風も雨も雷も強くなって行き、先頭のハイオーク部隊の前に風の渦が発生する。
その風の渦はどんどんと巨大になり、雨を雷を吸収して行った。
そして大規模な切り刻まれる風の刃に、重く硬い水の弾丸、高電圧の轟く雷鳴がオークキング率いるモンスターの群れを飲み込み襲う。
ラティアが全力で展開している多重結界が凄い勢いで壊されて行くなか、水風天雷が収まる。
そうして結界の外の草原は草が一つも無くなり、水風天雷の基点になった場所は大規模で深い泥沼に変わっていた。
そんな中でオークキング率いるモンスターのは無事なはずはなく、あれほど居たハイオークは綺麗に消え去り、残っているのはオークキングの周りに居たオークセージとオークジェネラルの数匹だけだった。
水風天雷を防いだのは、かなりの数が居たオークセージの魔法部隊だろうが、その魔法部隊は片手で数えられるほどまで減っているのはそれだけ水風天雷の威力が高かったと分かる。
そうしてボス部屋内のモンスターの数が減ったのと引き換えに、アル、ユキ、サフィ、カナリは立ち上がれないほどに消耗していた。
「お前たちはそのまま俺たちを守ってくれ。」
『分かりました。』
シェーレの方を見て言うと、アルは魔法の収納空間から各種魔法薬を複数取り出していく。
「オークキングたちが動き出す前に回復するぞ。飲みたく無くても飲むんだ。」
取り出した魔法薬の蓋を開けてアルが飲み始めると、ユキたちもそれぞれの手段で魔法薬を服用して行った。
立ち上がれるまで魔法薬を使って回復させたアルたちは、体勢を組み直して少数で突撃しようとするオークキングたちを迎え撃つ準備を行なっていく。
「シェーレ、ラティア、クウ。お前たち三匹がメインだ。三匹でオークキングの相手をしてくれ。俺たちは援護くらいしか出来そうにない。」
『あるじ様たちよりも消耗してませんからね。』
『マスターたちは休んでいてくださイ。』
『そうだよ、パパとおねえちゃんたちはそこでやすんでね!わたしたちだけでたおしちゃうんだから!!』
三匹ともやる気は充分だ。オークキング以外は一匹で同時に戦っても問題はないだろうが、オークキングの強さは離れていても分かる。
少し心配だが、アルはシェーレたちに任せながら、いつでも援護が行なえる様に身体を休めて回復に努めて行った。
そうしてシェーレたちが離れて行き、オークキングたちとの距離が縮まって行くのを見ていると、オークキングの咆哮から戦闘が始まる。
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新しく作り直した作品があります
・怪異溢れる世界
以上の一作です
時間がある方は読んでくれると嬉しいです
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