第410話
七十一階層はこの上級ダンジョンに多かった森林地帯だ。だがやはり、生えている植物の保有する魔力や植生の違いなどがあり、魔法薬を作る素材として集めて置きたい品質の良い素材ばかりだ。
七十一階層に着いてすぐに一時間ほどの休憩を入れてから探索開始だ。
そんな七十一階層の探索を始めて最初に遭遇したモンスターは、ハイオークの群れとそれを束ねるオークジェネラルとオークセージだった。
オークジェネラルが前線で指揮を行ないながらハイオークと共に戦闘をし、後衛よオークセージが攻撃魔法や回復魔法に補助魔法を使いながら戦闘をしてくる。
そんなモンスターの群れをハルトたちは相手取る事になったが、最初頃は思ったよりも器用な動きをするハイオークの群れに苦戦する事になった。
オークジェネラルの指示通りに動くハイオークの群れの動きに、アルたちは苦戦する。自身の命すらも躊躇いなく捨てる行動が厄介だったからだ。
だが、それすらもハイオークは使って来ると分かれば、対処する事も慣れてモンスターの群れとの三回目の戦いの時には既に慣れていた。
ハイオークの行動に慣れてもオークセージも厄介だった。オークセージは攻撃、回復、補助と三つの魔法を器用に使い分けて来る頭の良いオークだ。
常に全体を見渡す様に魔法を使って来る為、オークセージを倒すのを優先する様に指示を出す必要がある。
ハイオーク、オークセージと対処して最後にオークジェネラルだ。
オークジェネラルはボスモンスターとして現れたオークジェネラルよりも全体的に強くなっている。が、オークジェネラルさえ倒せればハイオークたちとの戦いは楽になる為、オークセージを倒す前に集中的に狙って倒して行った。
そうして探索を続けて行くと、この階層にもオークの集落は存在していた。
オーク集落では最低でもハイオークが百匹、オークジェネラルが五匹、オークセージが五匹は存在しており、ちょっとしたボス戦気分を味わえる。
だが、その分だけオーク集落の攻略は旨みのある事だった。何故なら確実に宝箱が手に入るからだ。
それなのに一階層に二つはあり、更にこの階層を探索可能な冒険者パーティーもオーク集落は避けて通る為、最終階層の八十階層までにかなりの数のアイテムを手に入れた。
でも、その大半は素材アイテムだった為、装備アイテムの数は少なく、装備アイテムの武器はラティアが動かすゴーレムの装備に回される事になる。
そうして冒険者育成校を卒業してから三、四ヶ月ほどでアルたちは八十階層ボスの攻略に乗り出した。
「クウで最後だな。」
『パパ、わたしがんばるよ!』
クウに使える補助魔法を掛け終わり、自身も含めた仲間たち全員に補助魔法を掛け終わったアルたちは、最後だから一際豪華なボス部屋の門を潜り抜けて行った。
門を潜り抜けた先は森に広場かと思ったが違かった。一面見渡す限り障害物のない草原だった。
そしてその草原の遠くの方に巨大な魔法陣が現れると、その魔法陣から大量のハイオークにそれを指揮する複数のオークジェネラル、更に魔法部隊のオークセージにどのオークよりも巨大で豪華な装備に身を包むオークキングが巨大な魔法陣から召喚された。
「ユキ、サフィ、カナリ。まず最初に俺たちの最大威力の魔法を食らわせるぞ。俺がみんなのサポートをする。広範囲協力魔法を使うぞ!」
『分かったのです!サフィ、カナリ、やるのです!!』
『……ん、了解。』
『分かったメー!』
「シェーレ、ラティア、クウ。お前たちは俺たちを守ってくれ。無防備になるからな。」
『分かりました、あるじ様。』
『傷一つ付けさせませン。』
『わたしもがんばるよ!!』
前衛にシェーレ、ラティア、クウが立ち守りに入り、その後ろには四角形で立って魔法の準備をするアルたちの姿があった。
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新しく作り直した作品があります
・怪異溢れる世界
以上の一作です
時間がある方は読んでくれると嬉しいです
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