第409話
上空で骸の灯台を攻撃した音や衝撃はスケルトン種を倒しているアルたちにも届くが、スケルトン種たちは足を止める事もなくアルたちを攻めて来る。
『まだ出て来るのです!アルはどれくらい倒したと思うのです?』
「三百は倒したんじゃないか?それにしても多い。ユキ、もう一度大技を使うぞ。シェーレとラティアはその間にスケルトンたちの足止めを頼む。」
『分かりました、あるじ様。』
『分かりましタ、マスター。』
これで今日は聖の力は使えないな、と思いながらアルは限界まで聖火を生み出して行った。
そして生み出された聖火にユキが風魔法を使う事により発動する聖火螺旋風がスケルトン種たちへと繰り出される。
正面のスケルトン種を一瞬にして消し飛ばすと、聖火螺旋風は骸の灯台を土台部分を聖なる火の力で焼いていく。
「ユキ!ここからはスケルトンたち全員にダメージが行く様に風を吹き荒らせ!!」
『分かったのです!!』
まだ聖火の聖なる火が残っている内にアルの指示を聞いたユキは、骸の灯台へとダメージを入れる事を止めて、現在現れているスケルトン種の殲滅に風魔法を使用する。
聖火が骸の灯台の周りに居るスケルトン種たちを飲み込む様に風魔法で風を生み出したユキの魔法の効果で、聖火にスケルトン種のほぼ全ては飲み込まれて行った。
威力は全体攻撃に変わったせいで威力は落ちたが、それでもアンデット系モンスターに取っての弱点である火属性と聖属性の合わせ技に時間が経過していくだけでスケルトン種は全滅した。
これで一日に使える聖の力は完全になくなったアルは、ここから火属性と光属性を中心にした魔法を使っていく。
そうして全滅したスケルトン種が骸の灯台から追加されると、段々と骸の灯台の大きさが小さくなり始めた。
その影響は地表で戦っているアルたちにも出始まる。
「避けろ!!回避だ!!!」
骸の灯台の高さが下がった事により、骸の灯台の頂上の青白い炎から放たれる熱閃が地表も狙う様になったのだ。
防御ではなく回避一択の骸の灯台からの熱閃攻撃に、アルたちは逃げ回りながらスケルトン種を倒していく。
倒していけば倒して行くほど骸の灯台の高さは低くなり、アルたちへの攻撃頻度は上がって行った。
そして最終的に骸の灯台は高さ五メートルのところでサイズ減少は止まった。
五メートルサイズに変わった骸の灯台との戦闘はそこから一気に終結する。何故なら上空からサフィたちが一斉攻撃を行なったからだ。
サフィたちの一斉攻撃により骸の灯台は土台部分だけを残して破壊され、残った土台部分も時間が経てば灰へと変わって行った。
骸の灯台と骸の灯台の身体の一部だったスケルトン種たちを倒したアルたちは、骸の灯台が先ほどまで居た場所へと移動して合流する。
「はぁ、あれほど倒したのにドロップアイテムを落とすのは骸の灯台だけなんてな。凄い疲れたのに。」
『そう言うモンスターなのだと納得するしかありませんよ、あるじ様。』
シェーレに慰められてから他の召喚獣たちにも似た様に慰められたアルは、骸の灯台の灰の山を探して行った。
骸の灯台からドロップしたアイテムは魔石と青白い炎が揺らめく球体だった。この球体を鑑定系魔法で調べると炎霊珠と言うアイテムだった。
炎霊珠に魔力を込めると青白い魂に直接ダメージを与える炎を操る事が出来るらしい。
試しに魔力を込めると炎霊珠から青白い炎が現れ操れた。
次に宝箱を確認すると、宝箱の方には柄頭に小さな骸骨がある剣だ。
こちらは骸の剣と言う剣で効果は切った相手を呪いの状態異常にするが、その代わり剣の持ち主も呪われる呪われた剣だった。
ただ持つだけなら呪われない骸の剣を魔法の収納空間に炎霊珠と一緒に収納すると、アルたちは骸の灯台を倒した事で現れた門へと向かって行く。
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新しく作り直した作品があります
・怪異溢れる世界
以上の一作です
時間がある方は読んでくれると嬉しいです
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