第407話
右から左へと薙ぎ払われるクウのブレス攻撃の威力により、第二陣のモンスターの群れへダメージを与える事に成功した。
モンスターの群れの前衛に居たモンスターの大半は倒せたが、残りの後衛のモンスターはそこまで大きなダメージは負っていない。
全力のブレス攻撃で疲弊したクウに休む様に言ったアルは、シェーレとクウを除いた残りの全員で第二陣のモンスターの群れを倒していく。
そして第二陣のモンスターの群れとの戦闘に参加せずに力を溜めていたシェーレにアルは第三陣の対処の指示を出す。
『一応追撃の用意はお願いします。』
薄く鋭い鋭利なハサミを構えたシェーレはそう言うと、パチンとハサミを勢いよく閉じる。
そうして発生した斬撃の衝撃波は枯れ木を一気に切断して、第三陣とアルたちとの間には倒木と切り株しかない状態になる。
一度目の衝撃波でもそれなりの数を倒したシェーレだったが、二度目の分厚いハサミが閉じて繰り出された衝撃波に依って大半の第三陣のモンスターは倒されるのだった。
それからもモンスターの群れの襲撃は続いて行き、最終的に第十二陣までモンスターの群れは襲撃して来ていた。
襲撃が止むと、ユキたち召喚獣に休む様に指示を出したアルがドロップアイテム回収用の魔法を発動して集まった魔石も含むアイテムの数はかなりの物になった。
だが、半分以上のドロップアイテムが破損や汚れが目立つ為、納品や売却するには使えそうにはなかった。
明かりの魔法を消してアルもようやく休憩に入ると、この日は六十一階層の序盤で休む事になる。
翌日になると六十一階層の探索を再開して転移水晶を発見する。だけど、迷宮都市には帰らずにアルたちは六十一階層の先を進んで行った。
一階層を進む事に最低でも一度は大きな明かりを灯してモンスターの群れを誘き出して倒す。
それを繰り返した事で連続して現れる大量のモンスターの群れとの戦闘も慣れながら、七十階層のボス部屋の前に三週間掛けてアルたちはたどり着いた。
ボス部屋の前で一泊しての翌朝。
「まずは俺が魔法を使う。その後はいつもの様に先制攻撃だ。それで倒せれば良し。倒せなくてもかなりのダメージを与えられるだろう。その後はボスモンスターの様子を見てからだな。」
事前の作戦を話しながら聖光の付与を召喚獣たちに行なって行くと、しっかりと準備をしたアルたちはボス部屋の門を潜り抜ける。
門を抜けた先は周囲を枯れ木の森に囲まれた大きな広場だった。広場の中央に魔法陣が現れて、その魔法陣から幾つもの骨で作られた巨大な灯台が現れる。現れた灯台の頂上では青白い火が灯されているのが確認する事が出来た。
『アル!!』
「あ、ああ!攻撃開始だ!!」
三十メートルはあろうかと言う大きさに唖然としてしまったが、ユキの念話に依って意識を戻したアルはアンデット系モンスターにダメージと弱体化を与える魔法を発動すると、ユキたちに攻撃開始の指示を出す。
月明かりも星明かりもない真っ暗な枯れ木の森の中、現れた太陽の様に光り輝く明かりによってボスモンスターはダメージを継続的に受けながら弱体化していく。
そんなボスモンスターにユキたちの遠距離攻撃が次々に直撃して行った。
その巨大な身体では躱す事も出来ずに魔闘気を纏って防いでいたが、弱体化とユキたちの攻撃力の前には紙を破るかの様だった。
そうしてユキたちの攻撃を受けている間に、アルは鑑定系魔法で調べ上げ、このモンスターの名前や倒し方が分かった。
このモンスターの名前は骸の灯台。数多くのスケルトン系モンスターを内包するモンスターだ。
骸の灯台を倒すには、骸の灯台から現れる全てのスケルトン系モンスターを倒してから灯台の青白い火を消してようやく倒せるモンスターらしい。
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新しく作り直した作品があります
・怪異溢れる世界
以上の一作です
時間がある方は読んでくれると嬉しいです
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