第406話
そして最後のカンテラボーンバードを倒すと、アルたちはドロップアイテムを回収して集合する。
集合した全員に鑑定系魔法で調べた結果を伝えると、今後カンテラボーンバードが現れた時の対策を決めて、アルたちは探索に戻った。
この六十一階層は採取アイテムが枯れ木しかない。その為、採取の為に立ち止まる事がない為、サクサクと探索を進められる。
そんな中、アルたちに向かって進む明かりを発見する。今度はカンテラボーンバードの青白い火の色ではなく、オレンジ色の淡い光だ。
「数は三だな。まずは遠距離攻撃で様子見するぞ。モンスターは鬼火蛍だ。高火力の炎を使うらしいけど、どんな風に使うのかは分からないからな。」
アルは指示を召喚獣たちに出すと、全員で迫り来る鬼火蛍へと遠距離攻撃を放っていく。
放たれた遠距離攻撃が鬼火蛍の群れへと向かって行くが、淡く光を放っていた鬼火蛍は光を放つのを止めて散開する。
目標にしていたオレンジの光が消えた事で、アルたちの遠距離攻撃が命中したのかは分からない状態になる。
「探知系魔法の幾つかにも反応しなくなったな。モンスターが集まる可能性があるけど、ここは使うか。みんな、辺りを明るくするから、視覚で確認できる様になったらすぐに倒してくれ。」
アルは周囲一帯を昼間の様に明るくする魔法を発動する。すると、アルたちへと隠蔽しながら接近していた鬼火蛍の姿が現れる。
姿が見えればこっちのものだと、ユキたちは二組に分かれて鬼火蛍へ向かって攻撃を開始した。
いきなり明るくなって驚いたのか動きを止めていた鬼火蛍の群れに攻撃が次々と命中していく。
攻撃が命中し、魔闘気を纏う鬼火蛍の身体の破片が飛び散る中、急激にモンスターたちがアルたちの元へと集まって来るのを、アルは探知系魔法で発見する。
魔力がもったいないが時間もないからと、アルはドロップアイテムを回収する魔法を発動すると、それぞれにこれから襲撃に来るモンスターへの対処を伝え、アル自身もモンスターの群れの襲撃に備える為に準備を行なっていく。
そしてそれぞれが準備を終えた頃にモンスターの群れの第一陣が姿を現した。
そのモンスターの群れの中で初戦闘は闇夜の大梟だけだが、鬼火蛍もどれくらいの火力を出して攻撃して来るのか、それは分かっていない。
そんな状況でもモンスターの第一陣との戦闘は始まるのだった。
まず、先制攻撃を行なったのはアルたちだった。アル、サフィ、カナリの一人と二匹の魔法が放たれる。
アルとサフィが魔闘気を大量に混ぜた水を大津波の様に操作した水魔法で、カンテラボーンバードの青白い火や鬼火蛍の炎を消し去りモンスターの群れをずぶ濡れにして行った。
そして、そんな全身が濡れているモンスターの群れにカナリが事前に溜め込んだ雷を特大の雷撃に増幅させた雷魔法がモンスターの群れへと炸裂した。
これにより第一陣のモンスターの群れの半分近くは倒された。だが、それでもまだ生き残っているモンスターは居た。
けれど、そのモンスターたちも満足に戦闘できる状態ではなく、そんなモンスターたちは攻撃に参加しなかった召喚獣たちの遠距離攻撃で狩られっていく。
そうして第一陣のモンスターを全て倒し切ったアルたちだったが、続けて第二陣と第三陣のモンスターの群れが迫って来ていた。
「クウ、最大威力で薙ぎ払え!!」
『うん!いくよー!!!』
第二陣のモンスターの群れを指差してアルはクウへと指示を出した。クウはその指示通りに今出来る最大威力のブレス攻撃を第二陣のモンスターの群れへと吐き出した。
すぐ近くでゴオオオオ!!!と音がする中、クウのブレス攻撃は枯れ木を消し飛ばしながら第二陣のモンスターの群れを薙ぎ払って行く。
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新しく作り直した作品があります
・怪異溢れる世界
以上の一作です
時間がある方は読んでくれると嬉しいです
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