第405話
宝箱の前で集合すると、まずはそれぞれが集めてくれたドロップアイテムを受け取って仕舞い、それから宝箱を開封する。
開いた宝箱には柄と鍔だけで刀身の無い剣だっただろう物が入っていた。鑑定系魔法を発動して調べると、これは結晶剣と言う剣だと分かった。
結晶剣は魔力、闘気、魔闘気、聖の力を柄に流し込む事で、流し込んだ物で結晶の刀身を生み出す剣で流し込んだ量、質に依って刀身の切れ味と耐久力が決まるが、流し込める量にリミッターがあるそうだ。
試しに宝箱から取り出して魔闘気を流し込むと、結晶の刃が鍔から生える。
「この結晶の刃、重さがそこまでないんだな。耐久はどうだ?」
刃先に触れない様に刀身を持つと、魔闘気で強化されている身体能力をフルに使ってへし折ろうと試みる。
すると、結晶の刀身にヒビが少し生えるだけで折る事は出来なかった。だが、再び柄に魔闘気を流せば刀身のヒビは消えて結晶の刀身は元に戻る。
「なかなか面白いな。」
『使うのです?』
隣のユキが聞いて来る。
「使わないよ。これ、柄に魔闘気が吸われるから刀身に魔闘気を纏わせられないからね。そうすると、今の剣に魔闘気を纏わせた方が切れ味も威力も高いから。」
この結晶剣の機能は面白いが剣として使う事はない。だから確かめると、アルは魔法の収納空間に結晶剣を放り込んだ。
そして、六十一階層へと続く門を潜ると、五十一階層から六十階層も薄暗かった為、暗い場所でも見れる様にしていたアルたちを待ち受けていたのは、星明かりのない闇夜の枯れ木の森林だった。
そして、探索を始めると乾いた地面に生えている枯れた木々の森を複数の青白い灯りが浮いてこちらに向かって来る。
「サフィ、向かってくる火を迎撃!俺たちは火を放ったモンスターを攻撃だ!!」
球状の青白い火が大量にアルたちの元へと放たれ、水魔法を得意とするサフィにはモンスターの攻撃の対処を任せる。
サフィが放った圧縮した水弾が青白い火の球に命中する。だが、青白い火は消火される事はなかった。けれど、サフィの魔法の威力の方が青白い火の球よりも高かったお陰で青白い火は消し飛んだ。
「あれは火属性じゃないのか?モンスターの迎撃はお前たちに任せる。俺はモンスターやモンスターの攻撃を調べる事にする。」
モンスター対策を全てユキたち召喚獣に任せると、アルは鑑定系魔法と探知系魔法を複数同時に発動して、モンスターの正体やモンスターの攻撃がなんなのかを調べて行く。
そして分かった事はモンスターはカンテラボーンバードと言うアンデットモンスターである事、もう一つはカンテラボーンバードの攻撃は火に見えて普通の火じゃない霊体の火なのだと分かる。
精神や魂へとダメージを与える魔法。防ぐには魔力や魔闘気で防がないと、肉体は焼かずに精神や魂が焼かれる事になるそうだ。
青白い火の対処は、青白い火の魔力を超えた魔力や魔闘気の攻撃なら、青白い火を掻き消してくれると分かり、隣で青白い火の対処をしているサフィに伝える。
『……ん、分かった……魔闘気を、込めて……魔法を、使う。』
水量を圧縮して魔法を放っていたサフィだったが、アルから聞いた話を元にして、サフィは魔闘気を多く混ぜた攻撃力の無い水を撒き散らしていく。そうする事で大量に含んだ魔闘気により、青白い火は消えて消火されて行くのだった。
そうして青白い火に包まれて姿の見えなかったカンテラボーンバードの姿が見える様になる。
姿が見てたカンテラボーンバードは、全身の骨格が青白い火に包まれてカンテラの様な灯りを灯している骨の鳥だった。
姿が分かればユキたちが率先してカンテラボーンに向かって魔闘気を込めた遠距離攻撃を行ない、カンテラボーンバードたちを倒していく。
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三つの新作があります
・そうだ、異世界に行こう
・ひきこもりのゴーレムマスター
・異世界大戦
以上の三作です
時間がある方は読んでくれると嬉しいです
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