第315話
宝箱を開けて中のアイテムを回収すると、それからアルたちはボス部屋を出て休憩して身体を休める。
休憩中にラティアは自身のゴーレムボディの修理を行なう為に、整備用に製作したゴーレムにコアを移して、戦闘用ゴーレムの修理を開始し、その様子をシェーレが眺め、サフィは目を閉じ眠り始める。
そんな休憩する間にアルはリッチやスケルトンメイジの素材を使って、骨細工のアクセサリーを生産魔法で作っていく。
『どんなのつくってるの?』
『気になるのです!!』
アルが骨を使って作るアクセサリーに興味があるからか、クウとユキが隣から覗いて来ており、その背後からカナリも覗いて来る。
「とりあえず全員が身に着けられる物にしようと思ってるよ。」
生産魔法を発動して、円球状の立体魔法陣が展開されると、その魔法陣の中にまずはスケルトンメイジの骨を入れてアクセサリーの作成を行なっていく。
そして、出来上がった物はスケルトンメイジの骨で作られた指輪だ。
「作れたぞ。これだ。」
作成した骨の指輪の効果を魔法で調べながら、覗き見ていた三匹に指輪を見せる。
ふんすふんすと鼻息を荒くしながら指輪を眺めるユキ、出来た指輪を『すごいすごい』とキラキラとした目でアルを見つめるクウの二匹とは違い、カナリがアルに質問してくる。
『ハルト、これって効果はどれくらいあるメー?』
「そこまで効果は無いな。三%くらいしか闇属性と呪属性に耐性はないから。出来れば、十%くらいまで耐性がある物を作りたい。まあ、これは練習用に作った物だから本格的に作るのは一時間くらい先だな。」
アルの返答にカナリだけじゃなく、ユキやクウも頷いて聞いてる中、アルは収納空間から取り出したスケルトンメイジの骨を次々とアクセサリーに変えていく。
それから一時間経ち、アルはリッチの素材も使って作成したアクセサリーの効果は最大で八%までしか効果を出せなかった。
「十%まで行かなかったな。まあ、上出来だと思っておくか。ユキ、シェーレ、サフィ来てくれ。」
ユキ、シェーレ、サフィの三匹をアルは呼ぶと、作成した三つのアクセサリーの内、最も効果の高いアクセサリーをと三匹に身に着けさせていく。
「さっき出来た中で効果の高いアクセサリーだ。身体を動かす感覚に違和感はあるか?調整するから教えてくれ。」
『そこまでないのです!!』
『私もないです。あるじ様。』
『……問題、ない。』
「そっか、それならよかった。じゃあ早速リッチと戦いに行こう。」
そうして三回目のボス戦を行ないに行く前にラティア、カナリ、クウにもユキたちよりは効果の落ちるが、それなりの効果のあるアクセサリーを身に着けてアルたちはボス戦に向かった。
ユキ、シェーレ、サフィの三匹がリッチ率いるスケルトンメイジたちとの戦いを、アルたちは入り口の近くで、時折り向かって来る魔法攻撃を迎撃しながら眺める。
そして、十分少しくらいでユキたちはリッチたちをすべて倒し終えた。
「それでどうだった。リッチたちの魔法を破壊する時に何か違和感はあったか?」
『あったのです!!最初に戦った時よりも魔法を壊すのが、ほんの少しだけ簡単になったのです!!』
『ユキ先輩の言う通り、闇魔法や呪魔法の耐性が上がったからか、破壊する時に使用された魔力や闘気の量が少なくなっていました。』
『……魔法には、耐性は……乗らない、みたい……でも、水の竜を……纏った、時は……若干、変わった、よ。』
三匹の話を聞いて、直接身体で攻撃を迎撃するのなら、アクセサリーの効果の耐性が発揮するが、魔法には効果は発揮しないのだろう。
でも、例外はあるようで身体に直接纏うような魔法だと、その場合はアクセサリーの効果も乗るようだと分かるのだった。
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