第316話
アクセサリーを身に着けてから十回ほど、ボスモンスターのリッチたちとの戦闘を行ない、時折り順番待ちをしている冒険者パーティーがボス部屋の前に居ることから交代することもあり、それなりの数のリッチの素材と宝箱からのアイテムを手に入れたアルは十一階層へと向かった。
十一階層は森林のフィールドの階層のようで濃い緑の香りがする。
「この階層からオーク種のモンスターが出現する。多くの肉を手に入れていくぞ!」
おおー!!とオーク肉の美味しさを知るユキたちに合わせてラティアも返事をする。
ダンジョン探索開始後すぐに仕掛けられた罠があることを魔法で発見する。
「(こんな入り口近くから罠が仕掛けられているのか。上級ダンジョンは侮れないな。)」
罠に気が付いたアルは、罠を避けるように進んで行くとモンスターの反応がこちらに接近して来ることに気が付いた。
「モンスターが向こうから来るぞ。みんな、気を付けろ。」
『……!来ているのです!!』
ユキたちにモンスターの接近を教えると、一番始めに聴覚の優れたユキがモンスターに気が付いたようだ。
「慎重に進むぞ。」
アルを先頭にしながら進んで行くと、その先に木製の鎧と棍棒を持つオークと木製の杖とローブを身に纏うオークの群れが見えて来た。
二種類のオークに鑑定の魔法をかけると、木製の鎧と棍棒を持つオークはオークソルジャー、木製の杖とローブを身に纏うオークはオークマジシャンだった。
「ユキ、シェーレ、ラティアはオークソルジャーだ。俺たちはオークマジシャンを倒すぞ!行動開始ッ!!」
そして、アルたちが動き出すのと同時に「ブモォオオ!!!」と先頭のオークソルジャーが鳴き声をあげると、オークソルジャーとオークマジシャンたちの群れも動き出す。
オークソルジャーは闘気を纏って突っ込んで行き、オークマジシャンは魔力を纏って杖をアルたちへと向けると魔法を発動して来た。
「オークマジシャンの魔法の迎撃は俺がやる!サフィたちはオークマジシャンを攻撃してくれ。」
『……分かった。』
『分かったメー。』
『うん!オークマジシャンをこうげきするね!パパ!』
オークマジシャンが使う魔法は火や風に水と土の四属性を使うようだ。アルは先行しオークソルジャーたちを倒しに向かったユキたちに迫る魔法を同じ属性魔法で迎撃していく。
オークマジシャンの魔法を相殺している間にも、ユキたちはオークソルジャーの群れとぶつかり合い、サフィたちはオークマジシャンへと魔法などの遠距離攻撃を開始し始める。
オークソルジャーと戦っているユキたちは、遊撃の役目をユキが行ない周囲の木々を足場にしながら縦横無尽にオークソルジャーを襲撃し、シェーレとラティアは囲むオークソルジャーたちの攻撃を捌き受け流しながらも少しずつオークソルジャーを倒していく。
オークマジシャンを攻撃するサフィたちは、サフィとカナリが水魔法と雷魔法を上手く使い感電させて行き、動きが止まったところをクウの収束されたブレスがオークマジシャンの魔法障壁を貫いて倒していく。
順調に上位種のオークたちの数を減らしていると、オークマジシャンの一匹が大きく森林の中に響き渡るほどの咆哮をあげた。
「気を付けろ!何かの合図の可能性があるぞ!!」
アルはすぐに警戒するように全員に聞こえるように叫ぶと、びしょ濡れに濡れているオークマジシャンの一匹に雷魔法の雷撃を放ち黒焦げにしてオークマジシャンを倒す。
それからもアルたちの攻撃により上位種のオークたちは数が減っていく。だが、その時こちらに向かって来る複数のモンスターの群れをアルは魔法で感じ取った。
「チッ、増援か!?早く倒すぞ!増援が来る。増援のオークの数が多い!!素早く倒して陣地を組むぞ!!」
残り少なくなった上位種のオークをアルたちは一匹一匹に集中して攻撃を浴びせて倒して行った。
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