第314話

 カナリの雷撃とクウのブレス攻撃により、球状に張られていた魔法障壁は破壊されて、未だに降り注ぐ雷撃がリッチ率いるスケルトンメイジたちに直撃する。


 「ラティア、お前にはリッチを任せるぞ!」


 『了解しましタ、マスター。』


 カナリとクウの二匹が遠距離攻撃を行なっている間に接近していたアルとラティアは、降り注ぐ雷撃が終わった瞬間にリッチたちの元へ一気に接近して攻撃を加えていく。


 移動の瞬間に魔闘気を足に集中させて加速する移動法を用いて接近し、アルはスケルトンメイジに剣を振り抜く瞬間に聖の力の一つである聖光を使い、一振りでスケルトンメイジを切り裂き倒す。


 五体目のスケルトンメイジが倒れた頃にはカナリの雷撃により怯んだ身体も動き出したリッチとスケルトンメイジたちからの反撃がアルたちを襲う。


 様々な属性魔法の魔力弾をスケルトンメイジたちが放ち、リッチは闇魔法で大量の頭蓋骨を作り出した。


 それに対してアルたちも反撃を行なっていく。


 『炉心解放!!』


 ラティアが自身の魔像の融合炉を限界まで解放すると、ラティアのゴーレムコアから魔力と闘気が溢れ出すと、四つの腕に持つ武器に制御せずに送り、リッチが作り出した闇魔法の頭蓋骨たちを破壊しながら高速でリッチに肉薄する。


 かなりの数を破壊しながら接近するラティアに、リッチの意識も向く間に、アルたちは闇魔法が多いが他の属性もある魔力弾の多くを躱し、残りのスケルトンメイジたちを攻撃していく。


 カナリとクウの参戦とリッチの意識がラティアに向いた為、アルは魔闘気の使用を控えて高速移動には闘気を使用してスケルトンメイジを倒し、カナリは放たれる属性魔力弾をステップを踏んで躱しながら雷撃を加えた頭突きで倒し、クウは爪、翼、牙、尻尾と息つく間もなく連続で攻撃を加えてスケルトンメイジを倒していった。


 アル、カナリ、クウの一人と二匹がスケルトンメイジをすべて倒し終わる頃、ラティアとリッチの戦いも終わりに近付いていく。


 リッチは飛行しながらも、常に闇魔法の頭蓋骨の生成を行なってラティアの移動の妨害をしつつ、闇魔法の魔力弾や追尾する黒い光線を発動してラティアに攻撃を行なっていた。


 それをラティアは制御せずとも大量の魔力や闘気を使っての強化を行ない、リッチが繰り出した自身に迫るすべての魔法を切り裂き破壊しながら、リッチを追って行く。


 そして、そのラティアとリッチの追いかけ合いも、アルたちが参加したことで終わりになった。


 ボス部屋の上空を飛び回っているリッチに下から遠距離攻撃を浴びせたことで、リッチの動きが止まった瞬間、ラティアがスパークランス一つに魔力の強化を施すと、あとはすべて移動に魔力を使った加速でリッチとの距離を詰めてスパークランスで串刺しにする。


 たっぷりと魔力を込められてスパークランスから発生した雷撃の一撃は、リッチのすべてを黒焦げにするほどの威力が込められ、この一撃でアルと三匹の召喚獣が協力して戦ったリッチたちとの戦いは終わるのだった。


 「ラティア、炉心を閉じろ。まだ制御は出来ないだろう?」


 『ハイ、マスター。炉心を閉じまス。』


 ラティアのボディであるゴーレムから放出され続けていた大量の魔力と闘気が、炉心を閉ざすことで収まっていく。


 『しばらくは炉心の解放は出来ませン。それと修理する必要が出ましタ。』


 「修理は可能か?」


 『一時間もあれば修理も終わりまス。』


 「なら、ボス部屋から出たら修理してくれ。」


 『分かりましタ。』


 『アル、ラティア。ドロップアイテムと魔石集め終わったです!宝箱の前に集めたから早く来るのです!!』


 アルがラティアの調子を聞いている間にユキたちがドロップアイテムと魔石を集めてくれたようで、アルたちは宝箱の前に移動した。

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