第313話
上級ダンジョン十階層のボスモンスターたちの討伐を終えて、魔石とドロップアイテムを全員で探して、宝箱の前に集合するように言うと、アルも灰の山からドロップアイテムや魔石を探していく。
『リッチからのドロップアイテムは骨だったのです!!』
リッチの灰の山からドロップアイテムと魔石を持って来たユキから受け取ると、アルはリッチの骨を魔法で調べていく。
鑑定系の魔法で調べた結果、スケルトンメイジと同じく闇系や呪い系の魔法の効果の上昇や減少にも使えるモンスター素材だ。
「生産魔法の練習用に使うか。アクセサリーが良いかな?」
『どのような効果があるのですか?あるじ様。』
『わたしもきになる!!おしえてほしいなパパ!』
スケルトンメイジの落としたドロップアイテムを持ってアルの元まで来ていたシェーレとクウが聞いて来る。
他にもドロップアイテムや魔石を見つけて持って来たサフィやラティアにカナリも気になっているようなので、アルは先ほどの調べた結果から製作する予定のアクセサリーの効果などを伝えた。
「今の俺が作っても、そこそこの効果しか発揮しないと思うけどな。」
『それでも耐性が上がれば迎撃する時の負担が減りそうですね。使用する魔力や闘気の使用量が減るのではないですか?』
「それはあるかもな。今度、試してみるか。みんなも今回迎撃した時の感覚は覚えておいてくれ。もう一度戦ったら、その後に幾つか作る予定だからさ。」
集められたアイテムを魔法の収納空間に収納しながら、今日のこれからの予定の一部をみんなに伝えたアルは、上級ダンジョンで初めての宝箱を開けると、その中には何かの魔法薬が三本入っていた。
魔法を使って魔法薬を調べると、どうやらこの三つの魔法薬はすべて呪いを解呪する魔法薬のようだ。
しかも、呪われたアイテムの呪いを解呪する魔法薬で、人などの生き物には効き目がないことが分かった。
それにある程度の呪いならばアルの取得している魔法の中にある解呪の魔法でどうにかなるが、この魔法薬は今のアルの解呪できる範囲よりもアイテムだけだが広い。
でも、呪われたアイテム自体を今のアルは持っていない。その為、この呪いを解呪する魔法薬の役目は当分の間はないだろう。
ユキたちにも手に入れた魔法薬の効果を話してアルたちは十階層に戻った。
丁度、十階層のボス部屋の前には、これからボス戦を行なう冒険者パーティーが一組だけだがおり、アルたちが道を開けると、その冒険者パーティーは会釈をしてボス部屋の中へと消えていく。
アルたちは身体を休めながら次の挑戦を待っていると、三十分も掛からずにボス戦へ挑戦することが可能になった。
「ラティア、カナリ、クウ。これから俺たちでボスのリッチたちと戦うけど、行けるか?」
『問題ありませン。マスター。』
『ボクも大丈夫ですメー。』
『パパ!わたしもたたかえるよ!!』
「じゃあ、行くか。ユキたちは今回は観戦していてくれ。」
『分かったのです!』
『分かりました。』
『……ん、休んでるね。』
アルたちはボス部屋へと入って行くと、ボス部屋の中央に魔法陣が現れ、リッチ率いるスケルトンメイジたちが召喚された。
「カナリ!クウ!」
『やるメー!!』
『いくよ!!』
事前に休憩している際に、どうやって戦うのかを決めていたアルたちは召喚されたばかりのリッチたちに先制攻撃を仕掛ける。
カナリがリッチたち全体に向けた雷魔法の雷撃を放ち、クウが収束させたブレスをリッチに向けて吐き出した。
リッチたちの頭上から降り注ぐ雷魔法の雷撃をリッチたちは球状にした魔法障壁で防ぐ中、五十センチほどに収束されたブレスが魔法障壁を貫いてリッチを襲う。
だが、リッチの展開した範囲が小さい代わりに厚みのある魔法障壁によりクウが行なったブレス攻撃は塞がれてしまうのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます