第312話

 口を開いて閉じてを繰り返しながら迫って来るリッチの発動した闇魔法の頭蓋骨たちをアルたちが迎撃する中、ユキたち三匹も闇魔法で作り出された頭蓋骨の迎撃を行なっていた。


 ユキは全身に魔闘気と風魔法の魔法装甲で風を纏い、空中すらも足場に変えて駆け抜け角に中核にして魔闘気を槍のようにすると、闇魔法の頭蓋骨を破壊しながらリッチに迫る。


 シェーレは自身に向かって迫る頭蓋骨を分厚いハサミと鋭いハサミで潰して切り裂き対処しながら、リッチに威力の低い代わりに連射可能な衝撃波を闇魔法の頭蓋骨を破壊を行ながら放った。


 最後にサフィはと言うと、水の竜から繰り出される爪の斬撃や牙の噛み砕きに尻尾の叩き付けの三つの行動で闇魔法の頭蓋骨を破壊し続け、残り少なくなったスケルトンメイジを倒していく。


 そんな三匹からの攻撃にリッチは空中を素早く飛行して躱しながら、ユキたちへと攻撃を加える。


 カチカチとリッチは歯を鳴らし、更に大量の闇魔法の頭蓋骨を生み出してボス部屋に居る敵対者すべてに向かわせると、自身に攻撃を加えようとするユキたち三匹に闇魔法を発動し、黒い闇の光線を杖の先から放つ。


 『む?私を狙うです?そんな遅いのは当たらないのです!!』


 一筋の黒い光が凄まじいスピードで迫るユキへと放たれるが、ユキは更に加速して躱してしまう。


 だが、黒い光の光線は鋭角に曲がると、ユキへと再度迫って行く。


 「ユキ!まだリッチの攻撃は続いているぞ!!」


 アルはユキへと注意するが、リッチの闇魔法の光線は追尾してユキへと迫る。


 『ッ!まだ来るですか?!でも私に追い付けないのです!!!』


 アルの注意にユキは反応して首を少し動かして背後を確認すると、自身に迫る黒い光の光線が視界に入り慌てそうになるが、迫るリッチの闇魔法の遅さに気にする必要はないと判断したのか、追い付かれない速度で加速してリッチに迫る。


 進行方向の闇魔法の頭蓋骨を破壊しながらリッチに突撃するが、リッチも魔力を一気に放出されることで飛行スピードを加速させて回避する中、シェーレからの念話がユキへと届く。


 『ユキ先輩!リッチから距離を取ってください!!』


 『分かったのです!!』


 ユキはリッチに再度突撃を行なってリッチに躱されてしまうが、そのままリッチから距離を取って離れていく。


 『サフィ、私の後に続いてください!』


 『……ん、分かった。』


 シェーレは魔闘気をハサミに限界まで収束させると、開いたハサミを勢いよく閉じてリッチへと魔闘気を使用した衝撃波をリッチへと放った。


 リッチは歯を鳴らしながら自身に迫る広範囲の衝撃波を防ぐ為に魔法障壁を展開するが、魔法障壁は一瞬の拮抗の後に破壊されてしまい、その後ろに居たリッチに威力の落ちた衝撃波は迫る。


 けれど、リッチも魔法障壁は突破されることは分かっていたのか、魔力が込められた杖を迫る衝撃波に向けると、杖の先から闇魔法の波動が放たれ、シェーレの衝撃波と相殺を起こした。


 『今です、サフィ!!』


 『……やる!』


 シェーレはサフィに追撃を行なうように念話を送ると、サフィは魔闘気を混ぜた水魔法を発動し、水の竜からブレス攻撃がリッチへと放たれる。


 新しく水の竜の中で水魔法で生成された魔闘気の混じった水で放たれた水属性ブレスは真っ直ぐにリッチへと迫り直撃した。


 リッチもブレスの当たる直前に魔法障壁を展開するが、魔法障壁は一瞬で破壊されると、リッチはブレス攻撃に晒されて大きくダメージを受ける。


 それでもリッチは左半身を失いながらも生き残っていた。


 『トドメなのです!!!』


 だが、ユキがリッチの下から貫くように突撃を行ない、リッチの骨を砕いて行き、最後にはリッチの頭蓋骨を破壊して倒してしまう。


 そして、ユキに迫っていた闇魔法の黒い光線も消えていった。

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