第195話
第四試合一年生先鋒戦が終わり、試合舞台の上から魔法学園先鋒選手のミントと第三育成校先鋒選手のジェイドが闘技場スタッフにより担架で運ばれて行く。
「ジェイドの奴、大丈夫だと思うかな?」
次の副将戦の準備の為に装備を身に着けたアランが聞いてきた。
「回復魔法で治して貰っているみたいだし大丈夫だろう。アランも次の試合、頑張れよ。」
「おう!」
先輩たちもアランに声を掛けている中で闘技場スタッフが控え室に入ってきた。
「副将戦がもうすぐ始まります。アラン選手は移動を始めてください。」
「分かりました!いま、行きます!」
闘技場スタッフが控え室に入ってそう言うと、アランは闘技場スタッフの後ろに着いて行き、控え室から外に出て行った。
アランが試合舞台に向かって行くのを見送った控え室に居る選手たちは試合舞台を見れる位置に移動する。
すると、試合舞台を上がるアランの姿がそこにはあった。
試合舞台にはアランと魔法学園副将一年生の女子生徒が試合開始の合図を待っていると実況が一年生副将選手の紹介をする。
魔法学園一年生副将選手はコレン・ダンフォードという杖とローブ姿の魔法使いの格好をしている女子生徒。
第三育成校一年生副将選手のアランは、長剣と金属鎧を身に着けた男子生徒。
どんな魔法や戦闘方法なのかは一年生で初出場なこともあり、実況に紹介されてはいない。
「アランだ!よろしくな!」
「コレン、コレン・ダンフォードよ。試合は私が勝つから。」
「コレンだな!俺も負けないぞ!」
それぞれの副将選手が話している会話が控え室にも聞こえる中で審判員が二人の副将選手に話し掛ける。
「試合を始めてもいいですか?」
そして審判員が試合を始めてもいいのかを一年生副将選手に聞いて、両選手の了承を確認した審判員は試合開始の合図を出した。
「はあ!!!」
審判員の試合開始の合図と共にアランは、気合いを込めると聖光を身体に纏わせ始めた。
聖光を纏わせたアランに実況は、あれは聖光だと一年生で聖光を纏わせていることを伝えている。
それと同時にコレン・ダンフォードの方も魔力を身体に纏わせて身体強化を行なうと、アランに向けて魔法を発動する。
杖を構えたコレン・ダンフォードの周囲に複数の火の玉が現れると、アランに火の玉が向かって行く。
「その程度の魔法じゃ効かないぞ!」
アランは回避をせずに真っ直ぐにコレン・ダンフォードの発動した火魔法の火の玉が当たっても気にせずに進んで行く。
それにコレン・ダンフォードもこのままでは聖光の守りを突破することが出来ないと判断したのか、火の玉を放つのをやめた。
「これなら、どうかしら!」
そして杖にかなりの魔力を流して構えると、新たな火魔法をコレン・ダンフォードは発動した。
成人した大人を丸呑みに出来そうなサイズの炎で作られた蛇がコレン・ダンフォードの魔法で作られると炎の蛇はアランを襲う。
「はぁああああ!!!!!!」
クネクネと身体を横に揺らしながら進む炎の蛇にアランは立ち止まると、長剣を頭上に構えると聖光を纏う長剣を振り下ろす。
振り下ろした長剣から聖光の斬撃が飛び出すと、炎の蛇に向かって真っ直ぐに進む。
「無駄よ!」
コレン・ダンフォードは炎の蛇を操ると、炎の蛇はアランが飛ばした聖光の斬撃を躱してアランに向かい口を開けて飛び跳ねて来た。
「うおっ!うぐぅぅぁぁ!!!!」
聖光の斬撃が躱されるとは思っていなかったアランは飛び跳ねた炎の蛇に丸呑みにされた。
炎の蛇の中は聖光の守りがあるアランでも暑さや焼かれる痛みを感じているのか、悲鳴を上げている。
なぜ聖光の守りがあるアランが悲鳴を上げているのかと、聖雷を使えるアスランに疑問を聞くと、今のアランの聖光の練度と熱された空気を呼吸で取り入れたことが問題だったようだ。
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