第191話

 騎士学園VS第四育成校の試合は、これで第四育成校が二勝したことにより、二年生の試合は第四育成校の勝利で終わった。


 一年生が騎士学園の一勝、二年生が第四育成校の一勝したことで最後の三年生の試合の結果でどちらの学校が勝利するのか、それが決まる。


 そんな三年生先鋒戦が審判員の合図で始まった。


 騎士学園三年生先鋒は男子生徒のルーカス・カタン。全身金属鎧と長剣、盾を身に着け風魔法を使う選手。


 第四育成校三年生先鋒は男子生徒のロナウド・ルーピン。金属鎧と片手剣、小盾を身に着け水魔法を使う選手。


 その両選手は闘気による身体強化を行なうと同時に魔法の装甲を発動すると、相手選手にお互い向かって行くとぶつかり合う。


 両者共に武器を振るい、振るわれた武器を回避、受け流し、防ぎと激しい攻防を繰り広げる。


 そんな二人が行なう攻防に於いて最初に攻撃を相手に当てたのはロナウド・ルーピンだった。


 ロナウド・ルーピンの装備はルーカス・カタンよりも身軽な装備だった為、攻撃力と防御力は劣るがその分素早く動けた為、ルーカス・カタンの闘気や魔法装甲、金属鎧の防御を貫き、血を流させるほどのダメージを足に与えた。


 機動力がダメージもあって落ちたルーカス・カタンにロナウド・ルーピンは素早くルーカス・カタンの周りを動き続けて攻撃していく。


 そんなロナウド・ルーピンにルーカス・カタンは亀が甲羅に籠るように守りを優先した為、ロナウド・ルーピンは一撃を与えてから一度も攻撃を与えられない。


 それからロナウド・ルーピンが攻撃し、ルーカス・カタンが防御するという攻防に変わってから時間が経ち、ロナウド・ルーピンは魔法も使い始めた。


 魔法で水の塊などを放ち攻撃するロナウド・ルーピンにルーカス・カタンも風を自身の周囲に一時的作り出すことで魔法を弾く。


 物理だけでは無く、魔法の攻防も追加された先鋒戦は最終的にルーカス・カタンの勝利で終わった。


 なぜそうなったのかと言うと、ロナウド・ルーピンが魔法を放ったと同時にルーカス・カタンも相手を攻撃する魔法を放ったからだ。


 防ぐことしかしていなかった中、いきなり魔法で攻撃されたロナウド・ルーピンは、油断もあり避けられず直撃を受けて怯んだ隙にルーカス・カタンは更に何度も攻撃を加えて勝利した。


 そうして終わった先鋒戦は騎士学園の勝利で終わると、試合舞台の修復が終わり次第、次は副将戦が始まる。


 騎士学園三年生副将は男子生徒のレオナルド・ブッシュ。金属鎧を全身に身に着け、長剣と盾を持ち、風魔法と土魔法を使う選手。


 第四育成校三年生副将は女子生徒のメーベル。長槍と金属鎧を身に着けて風魔法を使う選手。


 両選手が修復された試合舞台に立つと、審判員の試合開始の合図で試合が始まった。


 試合開始と共にレオナルド・ブッシュは闘気と土魔法の装甲を纏い、メーベルは魔闘気を纏い始めた。


 レオナルド・ブッシュがメーベルに盾を構えて突進して行く。


 そんな中でメーベルは長槍に魔法で風を纏わせるレオナルド・ブッシュに向かって突き出した。


 すると、長槍から風を纏った魔闘気がドリルのように回転しながら放たれると、石畳が勢いにより削れながら、風を纏う魔闘気弾がレオナルド・ブッシュに向かって行く。


 そんな攻撃にレオナルド・ブッシュは回避出来ないと盾に魔闘気纏わせ構えると、更に土魔法で壁を作り出していく。


 だが、作り出された土壁は簡単に破壊されてレオナルド・ブッシュの魔闘気を纏った盾にも直撃する。


 レオナルド・ブッシュは全身には魔闘気を纏えないようだが盾に集中させた魔闘気の防御のお陰で試合舞台の端まで押し出され、盾を破壊されたが耐えられた。


 けれど、先ほどの長槍から繰り出された一撃がもう一度レオナルド・ブッシュに放たれた。


 レオナルド・ブッシュも長剣に魔闘気を纏わせ、魔闘気を飛ばす斬撃を放ったが突きと斬撃は少しの抵抗をした後に斬撃が貫かれた。


 その結果レオナルド・ブッシュは敗北した。


 

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