第190話
修復の終えた試合舞台に騎士学園と第四育成校の二年生先鋒選手が上がる。
騎士学園の選手は金属鎧で身を守る長剣と盾を持ち、水魔法を使うディアナ。
第四育成校の選手は皮の鎧で身を守る斧を持ち、土魔法を使うバリー・ネルソン。
その両者が試合舞台に上がり、審判員が試合開始を告げると、二年生先鋒戦の試合が始まった。
両選手は闘気で身体強化を行ない、更に魔法の装甲を纏うと、相手選手に向かって行く。
お互いに武器を振るい合いが起こる。
ディアナが剣を振るうと、バリー・ネルソンが斧を巧みに使い受け流し、剣を弾き、足捌きで回避をする。
バリー・ネルソンが斧を振るうと、ディアナが盾で受け流し、足捌きで回避をする。
そうして何度もぶつかり合いが起こっていると、突然ディアナの体勢が崩れた。
バリー・ネルソンが土魔法を使って、ディアナの足場が崩れたせいで体勢が崩れたのだろう。
その隙を見逃さないバリー・ネルソンは今まで一番斧を振りかぶり、斧に纏う闘気が拡大すると、ディアナに一撃を与える。
ディアナも盾に闘気を纏わせる量を増やして防ぐ。だが、バリー・ネルソンは一撃は重く威力があった為、ディアナの盾は破壊されてしまい、ディアナにも直接当たり、魔法の装甲と闘気の守りを突破して金属鎧を砕き、ディアナは身体を切られながら吹き飛んで行った。
ディアナは立ち上がろうとしているがバリー・ネルソンから受けた傷のせいで立ち上がれず、審判員がバリー・ネルソンの勝利を判断すると、二年生先鋒戦はバリー・ネルソンの勝利で試合を終えた。
これで騎士学園VS第四育成校二年生の試合は第四育成校が一勝をした。
試合舞台はすぐに修復が行なわれると、次は二年生副将戦が行なわれる。
騎士学園の副将選手は金属鎧で身を守り、長剣と盾を持って水魔法と氷魔法を使用するナターリア・ハイムという女子生徒。
第四育成校の副将選手は皮の鎧で身を守り、メイスを武器に光魔法を使用するマーシャという女子生徒。
両選手が試合舞台に上がり、審判員が試合開始と告げてから両者共に魔力で身体強化を始めると、魔法を放ち合いが起きた。
光魔法と水魔法、時々氷魔法のぶつかり合いが起きる中で両選手はお互いに距離を縮めて行く。
そしてある程度距離を縮めると、魔法の撃ち合いをやめて一気に接近して、今度は剣や盾、メイスの打ち合いが始まった。
メイスが振るわれると盾で防ぎ、剣を振るわれるとメイスで受け流しと、お互いに武器を振るい合いが続いて行く。
五分近くの間、両選手はお互いに止まることなく武器を振るい続けていた。だが、突如ナターリア・ハイムが魔法を使ったことで試合の流れは変わる。
そして、第三試合二年生副将戦の試合はナターリア・ハイムが勝利した。
最後の魔法と武器での同時攻撃を防げなかったマーシャが武器を失い、首筋に剣を突き付けられたことで降参したからだ。
これで両校は一勝一敗になり、次の大将戦で騎士学園が勝利すると第三試合は騎士学園の勝利で終わる。
そして、二年生大将戦が始まった。
騎士学園二年生大将は全身に金属鎧で身を守り、長剣と盾を持った水魔法と火魔法を使う男子生徒ライアン・リゲル。
第四育成校二年生大将は金属鎧で身を守り、長剣を片手に持つ雷魔法と風魔法を使う男子生徒ディーノ・ナイトハルト。
お互いに魔法の装甲、身体強化をした後に相手選手に向かって行くと、武器をぶつけ合う。
迫る火魔法を風魔法が散らし、雷魔法が放たれると水魔法で作り出した水で雷を受けて受け流す。
武器を振るいながら威力の低い魔法を放ち合いをしている両選手の打ち合いは、一度魔法を防ぐのに失敗した騎士学園大将ライアン・リゲルの全身に雷魔法を受けて、怯んだ隙に一撃を貰い、試合舞台の外に剣を弾き飛ばされてしまった。
その後は盾を使い、ディーノ・ナイトハルトの相手をしていたライアン・リゲルだったがそれだけではディーノ・ナイトハルトの相手は出来ずに負けてしまった。
二年生大将戦はディーノ・ナイトハルトの勝利で終わった。
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