第62話
魔法陣から召喚されたフライングカープはこちらを認識すると話しかけてきた
『……よろしく』
少女の様な声でそれだけ言うとフライングカープはジッと見つめてくる
「こっちこそよろしくな。俺はアル。右隣りにいるのがユキで左隣りにいるのがシェーレだ。そして君の名前はサフィだ」
『ヘリックスラビットのユキです!サフィ、よろしくです!』
『ウェポンクラブのシェーレです。これからよろしくお願いしますね、サフィ』
召喚した際に隣に移動していたユキとシェーレの二人を先ほど召喚したフライングカープに紹介する
『……アル……ユキ……シェーレ……ぼくはサフィ……覚えた』
「それでサフィは身体の調子とか悪くないのか?」
ダンジョンのモンスターは外で生息しているモンスターとは違うので聞いてみる
『……大丈夫……元気』
「それならよかったよ。それでサフィには今までの事を覚えているのか?」
サフィとの戦闘の時や召喚契約の時の事を覚えているのか聞いてみる
『……ほとんど知らない……薄ぼんやりとした……記憶はあるけど……ずっと侵入者を……殺す事しか……考える事が……出来なかった』
「ダンジョンのモンスターはそんな感じなのか」
サフィの話を聞いてユキとシェーレはどうだったのかが気になり二人の方を向く
『私は子供の時の記憶は思い出せないけどアルと召喚契約するまでの記憶はハッキリしているのです!!』
『私もあるじ様との召喚契約までの記憶はちゃんとあります』
やはりこれはダンジョンのモンスター限定の事なのかな?
「サフィはダンジョンのモンスターとの戦闘は出来るのか?」
『……できる』
「それならよかった。サフィはどんな風に戦うのか気になるから次にモンスターと遭遇したらサフィが戦ってみてくれ」
『……わかった』
空中を泳いでアルの斜め上サフィと前衛を進むユキ、後方の警戒をしているシェーレと共に隠し部屋から出ると隠された通路を抜けてダンジョンの探索に戻る
それから少しするとコボルトソルジャーが二匹現れた
「コボルトソルジャー、二匹か頼むぞ、サフィ」
『……ん、わかった……死ね』
走り向かってくるコボルトソルジャーに向かい体内で魔力を高めながらサフィはアルたちの前に移動すると高めた魔力で放つ魔法を口から水の砲弾をコボルトソルジャーたちに向かい放った
放たれた水の砲弾は向かってくるコボルトソルジャーに向かい進んでドンッと音がして直撃したコボルトソルジャーは身体がバラバラに吹き飛びその近くに居たコボルトソルジャーは衝撃で転がっていく
転がって地面に倒れるコボルトソルジャーに向かい魔力を込めた水の弾丸をパンッパンッと数発、口から放ちコボルトソルジャーの身体を穿つ
「あの時あの水の砲弾が当たっていたらバラバラのコボルトソルジャーほどではなくてもヤバかったな」
『サフィ、危ないやつです!』
『サフィは即戦力になりますね。あるじ様』
サフィの戦闘の凄さを見ているともう二匹のコボルトソルジャーたちを倒して戻ってきた
『……倒してきた……ほめて』
「よくやったな。サフィ」
『……んっ』
サフィが倒したコボルトソルジャーのドロップアイテムを拾い収納するとダンジョンの七階から八階を目指して探索していく
「サフィは遠距離攻撃が多いけど近接戦闘は出来るのか?」
『……出来なくはない……でも苦手……近づかれたら……見せる』
「そうなった時に見せてくれ」
『……ん』
七階の探索をしながら八階への門にたどり着くとそのまま八階に向かう。八階に着き通路に向かうと流石にこのくらいの階層になってくると冒険者たちも魔力や闘気の放出ができる者も多くなり始める様だ
八階からは新たなモンスターであるダンジョンの壁や天井を移動する事ができる岩肌ヤモリが現れる
八階の探索で四度の戦闘があったが未だに岩肌ヤモリとの遭遇が出来ないがその次のモンスターとの遭遇では岩肌ヤモリと遭遇する事が出来た
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