召喚魔法使いの旅

第61話

　鞘から剣を抜いた冒険者は背後の仲間が静止をする前にアルに向かってくると持っていた浮遊盾を収納する

　（俺が対処するから二人は他の奴らの警戒をしてくれ）

　『わかったです』

　『分かりました』

　向かってきた冒険者が剣を振り下ろしてきた。その振り下ろされた剣を身体を少し動かして躱すと反撃に剣を握っていた腕に向かい魔力を流した剣を振り抜くと腕を切断した

　「あっ……あ゛ぁぁあ゛ぁ！！！う、腕……俺の腕がぁあ゛ぁぁあ！！！！！」

　腕と共にダンジョンの床に落ちた剣の音が響くと襲ってきた冒険者は切られた腕の傷口を押さえながら背後に数歩後退すると叫び声を上げた

　他の冒険者が未だに行動しようとしていない今のうちに叫び声を上げている冒険者の首を狙い剣の特殊効果を使用して本来なら切断できる距離では無いが剣を振り抜くと特殊効果で剣身が伸びていくと叫ぶ冒険者の首を切断した

　切断された冒険者の頭がコロコロと冒険者たちの方に転がっていくとリーダーだろう金属製の鎧の冒険者が仲間に叫ぶ

　「お前ら！やっちまえ！！！」

　それを合図に盗賊冒険者たちとの戦闘が始まった

　どうやらリーダーの盗賊冒険者は闘気が使える様だが放出する事しか出来ない様で闘気を纏うことは出来なさそうだ

　魔法使いの盗賊冒険者がまた火魔法を使用して玉を飛ばしてきたがそれをシェーレがハサミの威力の低い衝撃波で消し飛ばすと接近してもう片方のハサミでアルと同じ様に首を切断して殺すと他の盗賊冒険者に向かおうとしたがその時にはユキがツノから連続で放った闘気弾で穴だらけにされて槍を持っていた盗賊冒険者は殺されていたがまだ闘気を放出してアルに迫った盗賊冒険者のリーダーは生きてはいたが瀕死の重体の様だった

　「なん、で……ゴホ、お前、みた、いな。ガキが……ゲホ、ゲホ……こ、んなにつ、よい……んだよ！！」

　この盗賊冒険者のリーダーは闘気を放出して近づいていったがアルに攻撃する前に魔法で風の玉をぶつけられて吹き飛び金属製の鎧が風の玉が当たった腹の場所が大きく凹んでリーダーは口から血をダンジョンの床に転がりながら叫んでいる

　「はぁ……まったく、こっちが退いて欲しいと言っているうちに退いておけば死なずにすんだのにな。でもよかったかもな。最初に殺す人間がお前らの様な奴らで……罪悪感とか湧かないし」

　「ちく……しょう、ゴホゴホ……ちくしょう！」

　　床に転がっているリーダーに近寄ると首を切断してトドメを刺した

　『アル、大丈夫です？』

　『あるじ様、気分は悪く無いですか？』

　「大丈夫だよ。二人とも。罪悪感とかは無いけどコイツらから価値のある物を回収するのは面倒臭いくらいだから」

　剣に着いていた血を魔法を使用して綺麗にしていると殺した盗賊冒険者たちの身体がダンジョンの倒したモンスターたちと同じ様に砂の様に変わっていくとダンジョンに消えていく。その現象に俺が驚いているとユキから声をかけられた

　『アル？早く収納していくです！』

　「あ、ああ、分かった」

　ダンジョンで死ぬと人間もモンスターたちと同じようにダンジョンに消えていくのかと資料で知ってはいたが実際に見ると少しの間は驚いた。落ち着きを取り戻すと殺した冒険者たちの血で汚れた装備アイテムを魔法で綺麗にすると価値がありそうな物だけを選んで魔法の収納空間に収納した

　「アイツらのせいでさっき召喚契約したフライングカープの召喚が出来なかったからな」

　『召喚するのです？』

　「ああ、今から召喚するよ」

　『新しい仲間ですね。あるじ様』

　先ほど召喚契約をしたフライングカープの召喚玉を取り出すとそれを握りフライングカープの召喚をする

　召喚玉と同じ色の魔法陣が現れるとそこからフライングカープが召喚される