第14話

 祝福を受けた日から俺は増えていく魔力量に魔力操作や魔力制御が追いつかず練習は魔力操作や魔力制御を優先的に行っていった


 そして祝福を受けてから一年と一ヶ月が過ぎて闘気も使える様になり強くなった


 今日は冒険者育成校から教師が来て冒険者育成校への特待生を探しにくる日だ


 この国は冒険者を多く輩出して汚染獣との戦いに優秀な冒険者に依頼をして同盟に貢献してもいる。優秀な冒険者を増やす為に今日教師がくるのだ


 「今日は冒険者育成校から来た教師がお前たちの相手をする!」


 「はい!」


 団長のケレスがそう言って皆んな返事をするとケレスの隣に立っていた男が自己紹介をする


 「俺の名前はバロンだ。俺はこれでも教師になる前は金級の冒険者だった。この中に魔法を使える者もいるだろう遠慮なく使用して構わないからな。じゃあ始めようか」


 (あの人は金級の冒険者だったのか)


 『凄いのです?』


 (凄いだろうな。凡人が上がれる最高峰が金級だって話だからな)


 ユキと心の中で話し合っているとバロンとの模擬戦が始まった。殆どの者は身体の動きを少し見て攻撃を何回かしてから模擬戦を終わらせていた


 次の挑戦者は自警団団長の息子グエルだ。祝福の日から一時期訓練に参加しなくなっていたがまた参加し始めてから更に強くなったのがアイツだ。きっと訓練がない日でも団長に鍛えて貰ったのだろう


 模擬戦が始まると闘気を纏ったグエルがバロンに突っ込んだ。バロンはグエルがこの歳で闘気が使える事を少し驚いていたがその後はグエルの実力を引き出しながら戦っていた


 次の模擬戦はジェンタークで彼は槍術士の祝福を貰い槍に武器を替えてから剣の頃よりも強くなっていた。模擬戦も闘気は使えないが槍を巧みに使いバロンと戦っていた


 その後何人か模擬戦をして次は村長の次男エランがバロンと戦う。エランは剣聖の祝福を得てから同年代では俺以外には勝ち越しているほど祝福の力で強くなっていた。勝てる様になってくると努力も殆どせずに訓練も模擬戦の時だけ出てくる様になった奴だ


 そのエランも金級の冒険者だったバロンの相手にはならず模擬戦が終わるとエランにもっと君は強く慣れるから鍛錬をする様にと促していた


 その後俺以外の者たちとバロンは戦い等々模擬戦の順番が俺に回ってきた


 「次は君だな」


 「はい、よろしくお願いします」


 魔法も使っていいと言っていたしまず魔力で肉体の強化をしたら次に魔法を使って強化する。それが終わると剣を構えてバロンに向かい突っ込む。バロンに近づき剣を振り下ろすそれはバロンの剣で防がれるがバロンの右足のある場所に穴を魔法で作る


 「うお!」


 体勢の崩れたバロンに突きを放つがそれは弾かれるそして俺の剣を弾いた事で空いた身体に向かい螺旋回転する風の槍を放った


 放たれたその魔法に危険を感じたのか今まで使っていなかった闘気を使用して肉体を強化すると俺の一撃を防ぐ為に剣を戻したが模擬戦での武器は木の剣で幾ら闘気で強化していても俺の魔法の一撃は耐えられず壊れるとそのまま威力の弱まった魔法はバロンの腹部に当たるがバロンの闘気により防がれてしまった


 「はあ、闘気は使うつもりは無かったんだがな。このままやって大丈夫か」


 バロンがそう聞いてきた


 「闘気ありで良いですよ」


 「そうか、ならこのまま行くぞ!」


 その後俺は自身の肉体強化を魔力を多く消費して闘気を使うバロンに何度か剣で攻撃を与えたが腹に一撃を食らって吹き飛ばされ模擬戦が終わった


 全ての模擬戦が終わり俺は特待生にならないかとバロンに誘われた。特待生になると冒険者育成校の授業料が無料になり卒業すれば銅級の冒険者になれる様だ


 少し考えて冒険者育成校の特待生になる事を決めるとバロンから紹介状を貰った。そして冒険者育成校の入学試験は来年の二月の始めから三月終わりに行われるとバロンに聞いた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る