第11話

 新年祭当日になりどんな祝福を神々から貰えるのかと今から少し楽しみでもありケビンみたいな戦闘とは関係ない祝福を渡されないかと不安でもある


 朝早く起きた俺はいつも通りに魔法の練習をしながら少し感じている不安を誤魔化す様に練習に打ち込んでいく


 朝食を食べ終わり少しして扉の外から父親のルークの声が聞こえてきた。もう既に教会に行ける様に準備を終わられているので扉を開けて部屋の外に出るとルークも教会に行ける用意を終わらせている様だ


 「もう、行くの?」


 「ああ、準備出来ているのなら行くぞ」


 「分かった」


 家を出ると父親と二人で教会に向かう。兄のケビンと姉のベルは来ないのかと思いながら居なくても別に困らないから父親に何も聞かずに教会に向かう


 (ケビンとベルの時も行かなくてよかったなら俺もあの時行きたくなかったな。まあ、それだとあの時のケビンの様子が見れなかったか)


 あの時の事を思い出しながら教会の前まで着いてそれからしばらくすると教会の中から神父と修道女が出てきた


 「では、今年祝福を受ける者はこちらに来てください」


 神父がそう言うと今年の祝福を受ける者たちが教会の中に入っていく


 「行ってきます」


 「ああ」


 俺も教会の中に入っていくと村長の次男エラン、自警団の団長の息子グエン、グエンの友達のジェンタークなどの他俺と自警団の訓練で最初にあった子どもたちがここにいた


 「では並んでください。呼ばれたら部屋に入る様にしてください」


 神父がそう言うと皆んな並んでいくので俺も並ぶと最初の一人が部屋に入っていった。子どもたちは喜んだり落ち込んだりしている子どもたちを見ていると次に入っていった村長の次男エランがもの凄く喜びながら出てきた


 「おい!人殺し模擬戦ではお前に今まで負けていたがこの剣聖の祝福を得た俺にお前は次は負けるんだ!覚悟しておけよ!あっははは!」


 エランは俺の所に来て言いたい事を言ったのか言い終わると教会を出ていった


 なんだ?あいつと思っていると次に入っていったグエルは唖然としながら出てきた。友達のジェンタークが声を掛けても返事をせずにそのままフラフラと教会を出ていった


 欲しい祝福じゃなかった上にアイツは父親の自警団団長ケレスを超えるといつも言っていたので戦闘に関係のない祝福でショックを受けているのかもしれない


 そんなグエルを見ながら修道女に呼ばれて次に入っていったジェンタークは嬉しそうにしながら出てきた


 それから何人かの後俺の番がやってきた。部屋の中に入るとその部屋は神々の石像が小さいながらも沢山あり一つずつ石像は違う形だ


 部屋の中を見ていると神父に呼ばれて石像たちに囲まれた真ん中に向かう


 「これから祝福を神々が貴方に渡します。この中央に膝をついて祈りを捧げてください」


 「はい」


 神父が離れると俺は石像たちに囲まれた中央に向かい膝をついて祈りを捧げていった


 「久しぶりじゃの。今の名前はアルか」


 顔を上げるとあの時の転生させてくれた創造神がそこにいた


 「これから祝福を渡すが祝福は選べないから何になるかは分からんが汚染獣の事や大神殿の事はやって貰うからな。二つ祝福を渡そう」


 「ありがとうございます」


 創造神は箱を持ってくるとその中の玉を取る様に言ってきた。その箱から二つの玉を取り出すと創造神に渡す


 「ふむ、召喚魔法師と魔力量増強の祝福かなかなか良い祝福だな。では意識を元に戻すぞ」


 目を開けると先ほど祈りを捧げていたあの部屋に戻っていた。祝福を貰ったので立ち上がり神父に話すと部屋を出ると修道女に終わった事を話して教会を出て父親のルークの元に向かった

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