第434話 ヒルデへのプロポーズ

「えっと……。それで話って何?」

 僕はミーティアでヒルデに連絡を取って、合う約束を取り付けていた。


 大切な話があるから、急いで時間を作って欲しいとお願いしたんだ。その時に同伴者がいることも伝えておいたんだ。


 だからミーニャがいることはわかっていたわけだけど、どうしてミーニャを連れて来たのかがわからないみたいで、さっきからヒルデはミーニャのことをチラチラと見ていた。


 今は時空の扉でアタモの町に向かって、ヒルデが寝泊まりしている宿を、ミーニャと共に尋ねていた。


 ヒルデの自宅は隣接するホドナ辺境伯の領区にあるから、アタモの町に来るにも、ルカリア学園に通うにも不便だから、らしい。


 ちなみにホドナ辺境伯の領区にも、当然冒険者ギルドはあるんだけど、ホドナ辺境伯の持っている騎士団が強過ぎて、魔物が出ればすぐに騎士団が狩ってしまうから、あんまり冒険者の出番がない地域なんだって。


 隣国との戦争が避けられているのは、ホドナ辺境伯の力が強いからと言われるくらい、我が国の軍事力に大きな影響を与えている。


 ちなみにリシャーラ王国は他の国に囲まれた国だから、辺境伯は他に3人いる。東西南北すべてに辺境伯がいるんだ。その中でも1番強いと言われるのがホドナ辺境伯だね。


 だから採取が中心のクエスト依頼ばかりらしくて、稼ぎたい冒険者は、ヒルデのように他の地域の宿屋に寝泊まりして、その地域のクエストを受けることになるのだそう。


「荒唐無稽な話だから驚くと思うけど、ヒルデ、僕と結婚して欲しいんだ。」

「──は!?」


 ヒルデは真っ赤になった後で、ミーニャに視線を移して、

「……その話と、彼女は、なんの関係があって連れて来たの?」


 と僕に尋ねた。

「あ、うん。

 彼女はミーニャ。僕の婚約者なんだ。」

「初めまして。ミーニャです。」


「あ、はい……初めまして……。

 え?私今、プロポーズされたのよね?どうしてあんたの婚約者がここにいるの?」

 と訝しげな目線を向けてきた。


「うん、彼女を第1夫人に、ヒルデを第2夫人にって考えていて、第1夫人の許可を得ていることを、ヒルデに直接自分の口から伝えたいってことで、連れて来たんだ。」


「……は?」

 僕がそう言った途端、ヒルデは眉間にシワを寄せて僕を睨んだ。


「私をあんたのハーレムに入れようっての?

 馬鹿にしないでよ。」

「違うんだ、話を聞いて!ヒルデ!」


 興奮して立ち上がったヒルデに、僕も慌てて諌めるように立ち上がる。

「とりあえず落ち着いて話を聞いてよ。」


「アレックス、事情を先に話したほうがいいわ。どうしてそういう考えに至ったのかがわからなければ、ヒルデさんだって納得しないと思うの。これはヒルデさんの為だって。」


「私の……為?」

 まだ眉間にシワを寄せて、ミーニャのことも睨みながらも、冷静に微笑むミーニャの姿に、ヒルデは改めて椅子に座ってくれた。


「いったいどういうことよ?」

「それがね……。」

 僕はかいつまんで、ルーデンス王太子たちの計画をヒルデに説明した。


「なめてくれたものね……。」

 ヒルデは親指の爪を噛みながら、いらだたしげに目線を床に落とした。


「僕のスキルを使って、自分の国を作るつもりなんだ。そこでミーニャを第1夫人に、ヒルデを第2夫人にすえたら、ヒルデには後ろ盾があるから、手を出せなくなるでしょ?」


「まあ、確かに、他国の王妃に手を出す馬鹿はいないでしょうね。

 うちのひいおばあちゃんの時みたく、いつまでも追いかけられることになるもの。」


「うん。ヒルデに好きな人がいたら申し訳ないし、ことが落ち着いたら開放するからさ。

 それまで我慢してくれたら嬉しいな。」


「我慢って……。」

 ヒルデがムッとしたように口をとがらせると、僕のことを恨めしそうに睨んできた。


「別に嫌だなんて、誰が言ったのよ。」

「え?でも……。ヒルデだって、いつかは好きな人と結婚したいでしょ?」


「そりゃあ……。

 ──だから嬉しかったのに……。」

 ヒルデがボソボソとつぶやく。

「え?なに?もう一回言って?」


「もう言わないわよ!

 聞こえなかったら別にいいわ。」

 ぷいっとソッポを向いてしまうヒルデ。


「ヒルデさん、ここは素直になったほうがいいと思うの。そうしないと、伝わらない人だから、アレックスは。」


 そう言ってミーニャがニッコリとヒルデに微笑んでみせる。

「好きなんでしょう?アレックスのこと。」


「ばっ……!誰がそんなこと言ったのよ!」

 ヒルデが真っ赤になって椅子から立ち上がると、怒ったように僕を睨んでくる。

 ミーニャ、やっぱり間違ってない?


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日本一くだらないクイズです。


動画の感想から動画を当てて下さい。


銀太は止まれないから、やりたいことを止めたら抜けると思ってた。

まるは追い詰められたと感じたら、逃げると思ってた。


だからこの結果はあんまり不思議に思っていなかった。

銀太はいつか戻ってきて欲しいと思ってたけど、まるは別にいらんなと思っていた。


だけどステージで丸坊主にして靴ぺろぺろぺーろするのが見たいから、むしろいつか戻ってこいとすら思えるようになった笑

こうなると社長の温情だよな。


オーバードーズしたことを普通に報告するような嫁とか、いつかどっちかがトラブル起こす気しかしないから、そうなる未来はもはや確定な気がするわ笑

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