第42話 武器のレアリティ
そんなもの、こんな田舎で出て来たなんて聞いたことがないよ。いくらなんでも、ここでそんなものを売ったら目立っちゃう。
それこそこの間の冒険者たちみたいのに、たくさん狙われる危険だってあるよね。
……残念だけど、今は売れないなあ……。
けど、春の園遊会だとか、貴族の集まりに出たときに、珍しい魔物の皮を手に入れたって自慢げに話してる人とかいたから、王都なら普通に取引してるんだと思うんだよね。
王都の近くに寄ることがあったら、そこで売ってみようかな。
マジックバッグごと盗まれたら嫌だし、中に一度戻しておこうっと。
それより驚いたのは、豪華な宝飾のついた例の長剣の方だった。
聞いて驚いて欲しい。
〈英雄の剣〉
等級:古代伝説(エンシェントレジェンダリー)クラス
レベル:MAX
攻撃力:+100000
防御力:+100000
俊敏性:+30000
知力:+30000
魔法防御:+50000
麻痺耐性:+10000
混乱耐性:+10000
魅了耐性:+10000
呪詛耐性:+10000
毒耐性:+10000
即死耐性:+3000
回復量上昇:+3000
固有スキル:聖属性付与 経験値増加 所有者制限 装備者固定
これこそ売れないよ!
何これ!見たことも聞いたこともないよ!
これ1つで国が買えるよ!!
普通の人のステータスが2桁だっていうのに、これを持っただけで跡形もなくすべてを破壊出来てしまう、それこそ伝説級武器だ。
というか、これを超える攻撃をしてくる魔物や、このくらいないと倒せない魔物がいるってことなの!?怖っ!!
武器にはそれぞれレアリティがあって、上になるほど特殊なスキルが付与されてる。
上から、
幻想(ファンタズム)クラス。
伝説(レジェンダリー)クラス。
遺物(レガシー)クラス。
固有(ユニーク)クラス。
最高(エピック)クラス。
希少(レア)クラス。
通常(ノーマル)クラス。
粗悪(インフェリオリティ)クラス。
という感じに分かれてるんだ。
普通の人が、よくてレア武器を使ってる中で、エピックだとしても凄いのに、古代レジェンダリーだなんて、聞いたこともないよ?
──僕はお祖父さまのアイテムボックスの中に、イビルドラゴンの皮と、古代レジェンダリーの英雄の剣をしまって、部屋へと戻って、アイテムボックスの海の扉を消した。
さ……さすがに疲れた……。
きつすぎるよ、階段。
僕はお風呂に入って寝ることにした。
扉の外に出れば、素材の名前がわかるみたいだし、他の素材もそのうち調べて、売りに出そうっと。
他の扉には何が入っているのかなあ?
楽しみだ!
明日はどこの扉を開けようかな。
僕はそのことを考えて、ワクワクしてなかなか寝付けなかった。
次の日の朝、朝ご飯を食べながら、僕は叔父さんにワイバーンについて聞いてみることにした。素材のランクがわからないからね。
「叔父さん、昔、ワイバーンの皮で出来た胴当てをしてたでしょ?」
「よく覚えてるな。
ああ。あれは俺が狩ったものだ。」
「ワイバーンって、クエストで言うと、ランクはどこなの?」
「ワイバーンはAランクだ。」
「ゲホッ!……ゲホッ……。」
「だいじょうぶか?」
「う、うん……。」
驚いて気管に入っちゃったよ。
ワイバーンがAランクだって!?
そんなの絶対にこの近くで売れないよ!
一角ウサギですら狙われたっていうのに!
……ワイバーンも王都いきだなあ……。
イビルドラゴンにワイバーン。
ランクの高い素材ばかりだ。
かなり強い冒険者だったみたいだな。
「じゃあ、イビルドラゴンって知ってる?」
「──イビルドラゴン?
なぜその名を知っている?」
「ヒ、ヒルデが、その、倒してみたいって言うからさ……。」
ごめん、ヒルデ、名前を借りた。
「ああ。あの子か。
イビルドラゴンはミスリルドラゴンと同じく鉱山、もしくは火山か雪山にいる魔物だ。
このあたりには生息してないな。」
「叔父さんは倒したことがあるの?」
「昔一度だけな。新たに鉱山が見つかった時に、採掘の邪魔になるから、倒してくれと依頼があることがあるんだ。」
「ランクはいくつなの?」
「Sだな。」
うわあ……。
売らなくて正解だったよ。
そういえば、かなり数が増えてきたし、管理できる何かが欲しいよね。
売り上げを書いてまとめておけるような、そんな感じの物があればいいんだけど。
スキルで出てくれば楽なんだけどなあ。
アイテムボックスの海から出たら、アイテムの名前がわかったのは、そこで初めてスキルで出したことになったんだと思う。
名前を教えてくれるんだから、中に入っているものを、一覧にしてくれてもいいと思うんだけどなあ……。そのうちレベルが上がったら、出来るようになるんだろうか。
ラナおばさんはそういうのを使ってなかったし、税金納める時とかどうしてるんだろ?
そっちも考えないといけないよね。
家庭教師の先生との勉強に使ってた板は、書いて消す石板だったから、それをたくさん持つわけにもいかないしな。
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読者さまからいただいたアドバイスをもとに、
古代をエンシェント
遺物をレガシー
も変更させていただきました。
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