労いの挨拶

日置倫敦

第1話

 子どものころ、テレビでホラー映画を見ては逃げ惑う女の悲鳴で恐怖が染み入り、トイレに行くにも廊下の電気を点けていくほどだった。

 今は過剰な金切り声が鬱陶しくなり、得体の知れない殺人鬼に肩入れしては、静かになったところで「お疲れさん」と思う。

 隣の奥さんの声がしなくなって一月。

 旦那さんに会ったら「お疲れさん」と声をかけよう。

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労いの挨拶 日置倫敦 @fourhorsemenshin

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