第68話 ゴブリンキング⑤
僕は聖剣が【巨人殺し】を使う為に必要な力を溜める時間を稼ぐ為に、ゴブリンキングの攻撃を全て予測し、数手先を読みながら回避行動をとっていた。
もう12分は経過したか?
それならあと3分位か……。
まだ体力も問題無い。
集中力はかなりベストな状態だ。
身体も無傷だから大丈夫だろう。
強いて言えば、魔法で身体を強制的に加速させて回避しているから、脚の関節がそろそろ悲鳴を上げそうなところだろうか。
しかし、あと5分は問題無い。
このゴブリンキングを倒せるならば、身体が多少壊れても大丈夫だろう。
★
僕がゴブリンキングの攻撃を避けていたら、聖剣から合図があったので、タイミングを合わせてゴブリンキングから距離をとり、聖剣の隣に立つ。
「準備は出来た?」
「カイン、準備は出来た……しかし、あのゴブリンキングの移動速度だと……当てるのは難しいぞ」
「ああ、【巨人殺し】はゼロ距離攻撃だったか」
ゲーム内だとゼロ距離でも接近さえすれば技が発動していたから忘れていたけど、確かに敵とかなり接近しなくては発動出来ないって説明書があったかな?
「じゃあ、僕が動きを5秒だけ止めるから、その間に【巨人殺し】をやっちゃって」
「……それは大丈夫なのか? あのゴブリンキングを5秒も止めるとなると」
「うん、5秒ならなんとかなるよ」
正確には10秒は止められるが、その後の攻撃を受ければ、僕やシエルはヤラれてしまうかもしれないが、【巨人殺し】で倒せなければ、どっちにしろ僕達には勝ち目が無いから同じ事だろう。
「解った。いつでも撃てるように我もゴブリンキングに近付こう」
「うん、だけど動きを止めるまではゴブリンキングの5m以内には入らないで、タゲがズレるかもしれないから」
「タゲ……?」
「まあ、危ないって事。それじゃあ、ゴブリンキングが咆哮を上げたら近接するから」
聖剣は僕の話に頷き、剣を両手に構える。
「グゴオオォ!」
「よし、今だ!」
僕はゴブリンキングの咆哮に合わせて走り出し、足元に魔法を軽く当てる。
すると、ゴブリンキングはまたさっきと同じような攻撃パターンに入る。
このゲームの敵は、受けた攻撃に合わせて攻撃パターンが変化するので、パターンさえ分かっていればヤラレはしないから助かる。
まあ、力の差が離れ過ぎればパターンとか関係なくヤラレるが、僕とゴブリンキングとの力の差はギリギリ回避出来るレベルだった。
「……」
よし、そろそろかな。
ゴブリンキングの行動を10秒間止める方法……それは普通ならば攻撃すれば負け確定と言われる、ゴブリンの逆鱗があるのだ。
……まあ、ゴブリンに鱗は無いけどね。
僕は氷魔法で氷の槍を作り、ゴブリンキングが大剣を振り上げたタイミングで、脇腹よりも少し下の位置を思いっ切り刺した。
「グゴオオォ!」
「今だ!」
「解った! 【巨人殺……】」
ドゴーン!!
「は?」
聖剣の【巨人殺し】が発動し、倒せるって思っていたが、予想外の出来事が起きた。
【名前】カイン・シュバルツ
【レベル】80
【祝福】バットエンド
リタイア
タイムアップ
【技能】中級武器知識
上級魔法知識
上級薬草知識
上級錬金知識
【権能】神の眼Lv.4
“アイテム鑑定”、“モンスター鑑定”
“悪意鑑定”
レベルシステム
レベルアップ特典
成長強化プログラム《15歳まで》
【装備】魔杖 “魔力増加”“属性強化”
魔銃 “魔法強化”“速度強化”“長距離射撃”
魔剣 “攻撃力”“属性強化”
魔鎧 “回避力”“体力回復”
靴 “移動速度”“消音”
指輪 “魔法強化”“属性防御力”“器用さ”
【ステータス】
【名前】シエル・スライダー
【種族】聖人Ⅰ
【ギフト】剣聖
光属性
全能力大幅上昇
【制約の契】聖人化
自然回復Ⅳ
聖剣・魔剣の装備不可
【装備】聖剣クラウ・ソラス Lv.1
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