第67話 ゴブリンキング④
【聖剣クラウ・ソラス】
目の前で繰り広げられている戦闘に魅入っていた。
我の自我は数分前に発生したものだが、我には記憶には無いが聖剣としての剣技や戦闘知識、様々なものを理解していた。
その知識量は人類が一生剣に生きたとしても到達出来る量ではない。
故に我は剣技や戦闘知識に関して言えば、人類より数段上だと認識していたのだが……目の前で繰り広げられているゴブリンキングとカインとの戦闘を見て、その認識は間違っていたと言わざるをえなかった。
ゴブリンキングの筋力は、当たり前だが人類とは比べようがなく強く、反射神経や速度も超巨体とは思えないほど俊敏で、戦闘技術もかなり高い。
我のマスターが成人していて、我を使いこなせるレベルになれば倒せるだろうが、ノーダメージは難しいのでは無いかと思える程にゴブリンキングは強い。
しかし、カインはそんなゴブリンキングの攻撃を五分以上は回避だけで耐え抜いていた。
確かにカインの身体能力はかなり高い。
本当にマスターの知識にある通りの5歳なのかと疑う位に身体能力、知識、技術が揃っている天才だろう。
だとしても、我の予想ではゴブリンキングの攻撃を回避出来ていても、精々3分位が限界で、ましてや無傷だなんて我の戦闘技術や知識があっても不可能だと考えていた。
だから、我の【巨人殺し】を使う為の貯め時間を稼ぐと言ってきた時は、無理だと言ったのだが、笑いながら余裕だよと言って、飛び出してしまった時はマスターを絶対に悲しませてしまうと後悔してしまったのだが……既に7分は経過していたが、未だに無傷……というより当たる気配すら無いという感嘆を通り越して恐怖を感じていた。
あれはどういった類の技術なのだろうか?
相手の攻撃を見切り、ギリギリで躱すのではなく、ゴブリンキングの攻撃を数手先まで予測して、完全に攻撃が当たらないポジション取りをしながらも、距離は1m以内に維持しており、上手くゴブリンキングの視界から消えたり現れたりを繰り替えしていた。
★
【巨人殺し】の溜めが完了するまで……あと3分位。
これならば問題なくゴブリンキングに【巨人殺し】を発動出来るだろう。
【巨人殺し】は我の持つ必殺技の中でも特殊な技で、相手の身長が5m以上あり、マスターとの身長差が3倍以上ある場合にのみ特殊効果が発動し、身長差が開くほどに与えるダメージが倍増していく。
そして、ゴブリンキングの場合はダメージ倍率は、約76倍もある。
これをゴブリンキングの核に当てれば、確実に倒せると確信していだが、ここで予想外な出来事が発生してしまった。
【ステータス】
【名前】シエル・スライダー
【種族】聖人Ⅰ
【ギフト】剣聖
光属性
全能力大幅上昇
【制約の契】聖人化
自然回復Ⅳ
聖剣・魔剣の装備不可
【装備】聖剣クラウ・ソラス Lv.1
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます