第65話 ゴブリンキング②
僕はゴブリンキングを上空から吹き飛ばしたあと、シエルの近くに着地し、すぐにシエルの元に駆け寄る。
「シエル!!」
僕が上空から見た感じだと、シエルはかなりの重症な筈だ。
こういう時にサリと連絡が取れれば、シエルが意識の無い間にサリの回復魔法で治すことも出来るのに……僕が錬金魔法で作った回復ポーションも骨折の1か所位ならば瞬時に回復出来るレベルに良いものではあるけど、きっと骨折や内蔵破壊、その他いろんな箇所にダメージがある場合にはあまり効果が見込めない。
そして僕はシエルの近くまで行き、抱きかかえると奇妙な違和感を感じた。
あれ?
シエルの身体に傷が……無い?
服や鎧はボロボロになっていたけど、シエルの肌は擦り傷すらぱっと見で無い。
そんな事があるのか?
しかも……
「グゴオオォ!!!」
「!?」
やばっ!
僕はシエルに集中し過ぎて背後で起き上がっていたゴブリンキングに気が付かず、ゴブリンキングの咆哮と共に放たれた飛ぶ斬撃への対応が遅れる。
あの飛ぶ斬撃は、ゴブリンソルジャーの能力で威力やスピードは無いが、ゴブリンキングが使うと威力は倍増してしまうので、まともに喰らう訳にはいかない。
しかし、シエルも一緒に避けなければ危険だと判断する。
「【アイスウォール】【アイスウォール】!!」
僕はすぐに発動できる魔法を連続で使い、シエルを抱え走り出す。
バリンッ!!
バリンッ!!
くっ、やっぱり足止めにすらならない……
僕が咄嗟に発動させた【アイスウォール】は、ゴブリンキングの飛ぶ斬撃によりあっさりと破壊され、更に僕に向かって飛んできた。
ザシュ!
「ぐっ!?」
飛ぶ斬撃は、僕の肩に当たり、左肩の一部が吹き飛び、その衝撃により僕とシエルはその場で転び、倒れ込んでしまう。
クソっ……
この後、ゴブリンキングはもう2回飛ぶ斬撃を撃ってくる。
それを回避したら……次は……
あまりの痛みで集中出来ない。
シエルも何故か無傷っぽいし、回復ポーションを飲んで肩を回復するか?
回復ポーションは1個しかないから、使うタイミングは慎重にしたいけど……僕がいくらゴブリンキングの行動パターンを熟知していても、集中力がかけていたらどんなミスをするか分からない。
とりあえず回復して、あとは全て回避すれば良いか。
ゴクゴク……。
僕は回復ポーションを飲み、肩を回復させた。
そして、肩が回復したタイミングで2撃目の斬撃が来たが、今度はシエルを抱えながらでも余裕で回避し、3撃目も同様に回避した。
「……サイ」
「え? シエル?」
抱えているシエルから声が聞こえた気がしたので、シエルを見てみると、目があった。
「目が覚めたんだね! シエル」
「……我は聖剣、クラウ・ソラス。我がマスター、シエルは意識を失っている。代わりに我が戦う……」
「え? 聖剣クラウ・ソラス?」
シエルの身体を聖剣クラウ・ソラスが操ってるって事か?
【ステータス】
【名前】カイン・シュバルツ
【レベル】80
【祝福】バットエンド
リタイア
タイムアップ
【技能】中級武器知識
上級魔法知識
上級薬草知識
上級錬金知識
【権能】神の眼Lv.4
“アイテム鑑定”、“モンスター鑑定”
“悪意鑑定”
レベルシステム
レベルアップ特典
成長強化プログラム《15歳まで》
【装備】魔杖 “魔力増加”“属性強化”
魔銃 “魔法強化”“速度強化”“長距離射撃”
魔剣 “攻撃力”“属性強化”
魔鎧 “回避力”“体力回復”
靴 “移動速度”“消音”
指輪 “魔法強化”“属性防御力”“器用さ”
【ステータス】
【名前】シエル・スライダー
【種族】聖人Ⅰ
【ギフト】剣聖
光属性
全能力大幅上昇
【制約の契】聖人化
自然回復Ⅳ
聖剣・魔剣の装備不可
【装備】聖剣クラウ・ソラス Lv.1
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