第15話 D級ダンジョン攻略開始

「僕が守るから、離れないでね」


「私も戦う!」


さっきからシエルが戦うと言っているが、いくら天才だとしても【祝福】すら受けてない3歳の女の子が、大人でも倒せるか分からないモンスターに勝てるとは思えなかった。


カタカタカタカタ……


「あれは……スケルトン?」


ボロボロではあるが、金属製の防具に盾と剣を装備したガイコツが2匹歩いてきた。


F級では小動物系のモンスターしかいなかったけど、いきなり人型のモンスターで武具も装備済みとか、一気に難易度が上がった気分だった。


『サリ、スケルトンが出るダンジョンみたいだ』


『……それは厄介ですね。スケルトンには火魔法か光魔法、聖魔法、それに打撃系の武器が有効ですが、逆に斬撃系のや突き系の武器はほとんど効かない上に金属製の武具を装備しているので、カイン様なら火魔法で距離を取る方が良いです。スケルトンに限らず人型系のモンスターにはクラスが存在して、動物系モンスターより格上のモンスターになりますから気を付けてください』


『了解』


サリは何でもすぐに答えてくれるから非常に助かる。


よし、まずは……


「【ファイアボール】!【ファイアボール】!」


ボウ!ボウ!


僕は先制攻撃的な感じで中級魔法の【ファイアボール】を連続してスケルトンに放つ。


ゴウウウ!!!


【ファイアボール】はスケルトンに着弾すると火柱が立ち上がる。


「す、凄い……」


「これが魔法?」


ソフィアとシエルは僕の【ファイアボール】を見て呆然としている。


本来の【ファイアボール】はもっと弱いが、【魔法強化の指輪】効果で、魔法威力が1.3倍になっている。


【レベル25モンスターコアを吸収しました】

【レベル24モンスターコアを吸収しました】


お?


マジか、【ファイアボール】一撃で倒せたぞ?


もしかしてD級でも余裕なのか?


【レベルがアップしました】

【レベルアップ特典が選べます】


おお、最近は全く上がらなかったレベルもアッサリと上がった。


【肉体的成長促進・1年分】

【身体能力増加・微】

【魔力総量の増加】


僕は迷わず【身体能力増加・微】を取得する。


肉体的成長促進は論外で、魔力総量もあまり必要性が無いので、少しでも身体能力を上げたいと思っていた。


「これが僕の使う魔法だよ」


「カイン、凄いじゃない!」


「カインくん、凄いです……」


「だから、戦いは僕に任せてくれる? それと魔法が使える事はみんなには秘密にして欲しいんだ」


僕が強いとアピール出来たタイミングで、シエルには戦わないようにお願いする。


剣を持ったモンスターの場合、アッサリと殺されてしまう可能性もあるし、ふたりには一切の防具が無いのだ。


「何で? こんな凄い事が出来るなら自慢すれば良いじゃない!」


「あまり目立ちたくないんだ」


何と言おうな迷いながら、思っている理由を話す。


大人になってからなら分からないが、子供のうちは悪目立ちは出来るだけしたくない。


「なんで?」


やっぱりシエルは納得いかないのか、しつこく聞いてくる。


シエルは目立つ事に抵抗の無い子供だから、分からないのだろう……説明し辛いな。


「シエル……カインくんが目立ちたくないっていってるんだから……」


そこでシエルに向かってソフィアが、普段では想像出来ないほどの低い声で話す。


たまにソフィアの怖い裏ソフィアが、シエルに対して出る事が有るんだよな。


「う……分かったわよ。誰にも言わないわ」


そして、シエルは本能的に、裏ソフィアには逆らわないのだ。





【ステータス】

【名前】カイン・シュバルツ

【レベル】36

【祝福】バットエンド

    リタイア

    タイムアップ

【技能】中級武器知識

    中級魔法知識

    中級薬草知識

    中級錬金知識

【権能】神の眼

    レベルシステム

    レベルアップ特典

    成長強化プログラム《15歳まで》

【装備】魔力増加の杖

    攻撃力増加の剣

    移動速度上昇の靴

    魔法強化の指輪

    

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