第8話 F級ダンジョン攻略

『それではカイン様、私の後について来てください』


『うん、よろしくね』


サリと無事に合流出来た僕は、ダンジョン攻略をサリに任せる事にした。


本当なら僕も一緒に戦いたかったが、僕には時間が無かったので、なんとしても最速でダンジョン攻略がしたかった。


既にダンジョンへ強制転移させられてから2時間、多分町では僕が行方不明になり大騒ぎになっている筈だ。


だから、町の人達がダンジョンに強制転移させられたと気が付く前にダンジョン攻略してしまい、ダンジョン入口で僕は謎のダンジョン攻略者に放置されていたところを町の人に発見してもらうという作戦を考えた。


『ライトレーザー!』


ヒュン!


サリは流石は天使だけあって、光の魔法が得意なのか。


ライトレーザーは、サリの手元が光ったと思った時にはコウモリは貫通させられていた。


これは圧倒的な火力だな。


【レベル1モンスターコアを吸収しました】


おっ、サリが倒してもモンスターコアを吸収出来るのか。


これはラッキーだな。


しかし、吸収率は少ない気がする。


まあ、そこは仕方ないだろう。



こうして僕はサリの圧倒的火力により、コウモリを殲滅しながらダンジョンを進んでいった。




30分後……


『カイン様、ここがボス部屋だと思います』


『速かったね』


僕達は洞窟内では異質な巨大な扉の前に居た。


これがボス部屋か。


この世界のダンジョンは、本当にネットゲームとかラノベによくある設定ばかりで、日本人がこの世界を作っているんじゃないかと思えてしまう位だ。


ぼぅ……


サリが扉に近づくと、扉の両端にあった松明に火が入る。


何で今まで灯りすら無かった洞窟ダンジョンで、最後のボス部屋だけ演出用の松明があるんだよっ!ってツッコミを入れたいけど、そんな雰囲気では無いので止めておこう。


『カイン様、ボス戦だけは通常の敵とは違い、ボス部屋内にいる全ての人が攻撃対象になる可能性が高いので、いくらボスから離れていても油断はしない様にお願いします』


『なるほど……とは言ってもボスの攻撃を避けられるかな……』


『今のカイン様なら、土魔法を使えば簡易的な壁位は作れる筈です。基本的にはカイン様を守りますが、もしもの時は数秒で良いので防いで貰えれば私が確実に守ります』


『了解。頼んだよ』


『では行きます!』


サリがボス部屋の巨大な扉に触れると、自動的に扉が開いていく。


非力な僕とサリで、どうやって巨大な扉を開けるのか疑問だったけど、触れるだけで良いのか。


扉が完全に開いたら、サリは迷わず真っ暗なボス部屋に入っていき、そして右手を上にかざす。


『ライト!』


『うわっ!?』


サリがライトにてボス部屋の中を照らすと、天井にはビッシリと先程まで倒していたコウモリが大量に張り付いていた。


数は……100匹は確実に居るんじゃないのか?


しかも、その奥にはボスと思われる巨大なコウモリがいた。


あのボスコウモリはノーマルの10倍は有りそうな大きさだ。


やっぱり僕一人ではF級ダンジョンですら攻略は難しそうだ。


それに、これはソロでクリア出来るタイプではない気がする。



【ステータス】

【名前】カイン・シュバルツ

【レベル】11

【祝福】バットエンド

    リタイア

    タイムアップ

【技能】初級武器知識

    初級魔法知識

    初級薬草知識

【権能】神の眼

    レベルシステム

    レベルアップ特典

    成長強化プログラム《15歳まで》

    浮遊移動3歳まで

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