第7話 レベルアップ
僕は電気魔法により地面に落下し、ピクピクと麻痺しているコウモリ達に向かって、至近距離の火の玉を放った。
火の玉だけでは火力不足なのか、すぐにはコウモリ達は死なず、1分位だが火の玉を当てていると、コウモリは動かなくなり、コウモリの身体の中から輝く霧のようなものが滲み出て来たと思えば、今度は僕の身体に輝く霧が入ってきた。
【レベル1モンスターコアを吸収しました】
【レベル1モンスターコアを吸収しました】
【レベル1モンスターコアを吸収しました】
おお、例のモンスター内にあるというモンスターのコアを吸収したのか。
このモンスターコアの吸収は、満腹感に似ている様で少し違う感覚がある。
【レベルがアップしました】
【レベルアップ特典が選べます】
おおっ!!
コウモリ3匹でレベルが上がったぞ!
しかもレベルアップ特典って毎回貰えるのか?
何だかレベルアップした事により、内に秘める説明し辛い何かが拡大している気がした。
だからといって赤ん坊の僕がいきなり立ち上がったりなどの非常識なものではなく、何となく感じる程度である。
それにレベルアップにより魔力総量が増えた実感もあるのが嬉しかった。
コウモリで分かったが、今の僕には魔力総量が生命線だというのが痛い程に解った。
……あとはレベルアップ特典の確認か。
さっきから視界の右上にレベルアップ特典という文字のアイコンが点滅していた。
そのアイコンを意識する。
【レベルアップ特典】
どれか1つを選択して下さい。
【肉体的成長促進・1年分】
【魔力増加の杖】
【魔力総量の増加】
……この中から選ぶのか?
何か僕が欲しがってそうなものが選択肢に入る様になってるのかなって思えるリストだ。
どうするかな。
ダンジョン内で生き残る為には肉体的成長促進は魅力的だけど、ダンジョンから出たあとが困るので除外だな。
【魔力増加の杖】はあれば今後も便利だろう。
しかし、どの位の大きさの杖なんだろうか。
赤ん坊の僕が持てるのか?
全く分からないな。
……う〜ん。
……。
よし、決めた。
もっと悩んで決めたいが、いつまたコウモリが来るか分からないので、無難な【魔力総量の増加】に決めたぞ!
【魔力総量が10%増加しました】
うお、魔力総量が10%も増えた!?
僕はレベルアップ特典だから、1%位でも増えればラッキーだと思ったけど、凄いなレベルアップ特典。
あ、でも成長促進1年分とか魔力増加の杖もそれ位の価値があるのか。
さてと……これからどうするかな。
選択肢として、さっきみたいに隠れていて、襲ってきたコウモリだけを倒し、サリが助けに来てくれるのを待つか……ダンジョン攻略にチャレンジするか……。
★
【レベルがアップしました】
……
【レベルがアップしました】
……
『カイン様! よくご無事で!!』
『ああ、やっと来てくれたか……2時間がこれ程に長く感じたのは初めてだよ』
結局、僕はスタート地点からは動かず、襲ってきたコウモリだけを倒して、サリが来てくれるのを待つ事にした。
だって、どうするか迷っている間にもコウモリが襲って来た位にコウモリの出現率は高いのが分かり、移動しながらでは、待ちからの電気魔法攻撃は難易度が高過ぎることに気がついたので、スタート地点の行き止まりで待っているのが安全だと分かったからだ。
そのおかげで、レベルアップを何回かして、レベルアップ特典は全て【魔力総量の増加】につぎ込んだ。
あと、レベルアップ特典の中身はずっと一緒だった……中身が変わるタイミングはあるのだろうか?
【ステータス】
【名前】カイン・シュバルツ
【レベル】7
【祝福】バットエンド
リタイア
タイムアップ
【技能】初級武器知識
初級魔法知識
初級薬草知識
【権能】神の眼
レベルシステム
レベルアップ特典
成長強化プログラム《15歳まで》
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