第23話 ラジオ
霊柩車に乗る。まぁ殆どない事ですよね?助手席に喪主として乗る事なら、あるかなと思います。
今日は凄く短くお話しします。
通常、霊柩車の助手席に乗ると後は何をしているのか?たまに聞かれます。
正直決まりはありません。コロナ前だと少し話しかけて、お話しが続く方ならば様々なお話をしたりします。お話しするの嫌なのかな?とか、泣いてしまってる人、携帯をいじってる人は深くお話しをしないようにしています。
運転席としてベストというか、良いのは寝てしまう方です。え?寝た方が良いのか?違うんです。運転に安心しなければ寝れませんよね。お疲れの方も中にはいらっしゃいます。そういう方は火葬場まで無理に起こしません。寧ろ丁寧な運転に集中します。
逸れましたが。
その日は普通に出棺。暫く走りました。
「なんか静かでないですか?」
女性のその方に突然言われました。
【霊柩車だもん、静かでしょ】っと思うと、
「ラジオつけてもらって良いですか」
その時はラジオつけながらなんて、初めてだったので戸惑いましたが
「この周波数のラジオで良いですか?」
と確認して適当なボリュームにして音を鳴らしました。
「音が無いと駄目なんですよ」
様々な方がいます。火葬場までそのままでした。亡くなった方が音楽好きだったみたいです。最後のドライブと最後の音楽鑑賞が出来たと喜ばれました。出棺は決めつけてはいけないですよね。そんな事がありました。
次は?気分で決めます。
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