第24話 ロックな正装

タイトルからして、なんじゃそれ?っと、思うかと思いますが。お葬式のときの服装って礼服ですよね。黒色で。学生さんとかは制服とかね。


その日は「ご家族の方少し変わってるから」いきなり言われました。変わってるからって、言われても、どうする事も出来ません。

まぁ、どうにかなるさと思っておりました。


葬儀は普通でした。葬儀はね。よく見ると礼服ではない方が数名。

【んん?】

この時点ではあまり深く考えませんでした。

しかし、出棺が近づくと何か違う。

どーみても、礼服では無く、、、、。


バイクのレザーのツナギを着てる方が数名。

訳が分からなくなりましたが、すぐに理由がわかりました。

もちろん、助手席にはレザーのツナギで乗って来ました。外にはハーレーのバイクが数台。

【まさかこれ、一緒にいかないよな】

【いや、これはいくな】

勘が当たりました。霊柩車を先頭にバイクが2台着いて来ました。

「いやーこんな人いないっしょ?」

助手席の方はすぐに言いました。

「初めてですよー」

私も答えました。聞くにハーレー仲間で、レザーのツナギも前日までは着ない予定だったそうな。当日考え直して、これが本当の正装だろ、っと思いツナギにしたそうで。

しかしお話しが楽しい。熱く語る姿が見た目では無く心がある方なんだなと、感じました。

ハーレーには乗った事ないので興味あると話したら「乗りに来てよ」と。

バイクの免許持ってないんですよね、、、。


あっという間に火葬場到着。

降りてから両手で握手され

「貴方で良かったよ。最高の送りになった。本当に、ありがとう」

そう言われました。何度もお礼をするツナギの方。なんか、感動しましたね。人は見た目ではない。心なんだなと。

でも霊柩車先頭でバイク後ろだと、【これ格好いいな】不謹慎にも思ってしまいました。

流石にレアなパターンです。でもなんかこういうのは好きですね。あちらの世界で喜んでもらえたら、わたくしも嬉しいですよ。


っとこんな事もありました。

次は?気分で、考えます。

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