第14話 なぜこの道を
失敗事ばかり書いても良いのですが、たまには良いことも書きたいと思っております。早速ですが、霊柩車の走る道は基本は同じということはお話しました。
ルートを選ぶのはわたくしであると。正直 第二のルート、第三のルートを走ることはあまりありません。本当に混雑や急な事故などで選ぶくらいです。場所にもよりますけどね。
っで良いお話。
その時は Google先生に相談したら第一のルートが激混みで、第二のルートはいかがですか?と提案されました。どの道を走るかどうかは、出棺前にGoogleMapをみて決めます。しかしここでも難しくて・・・。見たその時は渋滞していなくても出棺間際に渋滞発生、急遽ルートを変更する、なんて事もあります。ルートは予め言う場合とバタバタして言えない場合もあります。
マイクロバスなどある場合はマイクロバスの運転手とルートを打ち合わせします。
なので急遽ルート変更した場合はマイクロバスの運転手にも伝えなければいけません。マイクロバスが通れない道ってそんなに無いのですが、狭い道などはマイクロバスの運転手が嫌がるので・・・。
っで、その時は第一の定番ルートが劇混みで、第二のルートに決定しました。
【久々だけど 第一ルート混んでるし】
っと思い、特に何事もなく出棺しました。
マイクロバスの運転手には伝えましたよ。
助手席には喪主様が同乗。
この当時はコロナ前のお話なので、マスクも無い時代です。
助手席に同乗するのは何も注意しなくてもよい時でした。
今だと密室に30分とか約1時間ですからね、ご説明してどうしても同乗したい方のみ助手席に乗っていただきます。
しばらく走行したら
「あれっ」
っと喪主様が・・・。
【やべー道間違え・・・いや合ってる なんだろ?】
何かやらかしたかなと、脳内でハムスターのように小さい頭脳が牛歩のように動きます。
【なんかわかんねーけど クレームかな・・・・】
【また怒られ大会かな・・】
悲観的になっていたところ。
「この道 よくお散歩で歩いた道なの」
同乗された喪主様は御高齢のおばさまです。旦那様が亡くなってしまいました。
【えっ?】
「よく歩いたわー」
亡くなられた旦那様の事は何にも聞いていません。
基本的に亡くなられた方の情報は名前くらいしか知りません。
「この道、選んでくれたのですね。ありがとう」
思い出の道を最後のドライブができて喜ばれていました。
なんでだろうか?可能性の低い第二ルートがドンピシャだなんて。
でもこう言いました
「失礼します。わたくしは何も知らずにこの道を選びました」
「走る道は決まっておりません」→基本は決まってますけどね。
「恐らく・・旦那様が導いていただいたのですよ」
「ありがとう」
おばさまは喜ばれていました。
泣きそうになりました。
霊柩車の運転手で感動するなんて。思ってもみなかった。
師匠にこの事を報告。
「グッジョブ!!」
「それでいい」
「嘘だと思うし、くさいこと言うかもしれない。本当に導かれるときってあるんだよ」
【マジか】
なんかこんな事ってあるんだなと。不思議だけど本当のお話です。
師匠にも褒められたし。
こーんなお話でした。
次は・・・なにお話するかなー
師匠のライバル?っです。
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