第17話 遊園地の終幕

 あれから1時間くらいたっていた。あのあと二人は無事観覧車に乗れたのかはわからない。俺たちは会話も何もせずただ園外のベンチに座りスマホを触っている。会話をしなくなったのはだんだんと話題がなくなったからだ。流石に1日会話をつなぐほど俺と新庄はレパートリーが少ない。新庄はハマらないと会話に興味を示さず、俺が新庄の好きなものを聞くと会話が止まらないため互いの趣味の領域に入ることも無理なのだ。

 観覧車終えて出てくるのであればとっくにいるだろう。1時間ってことはさらに色々回ったのかそれともコラボ展示を見て回ってるか、それ以外の別件で行動してるのか。どちらにせよ俺らに連絡無しで歩けてんならいいのだが。


 さらに30分の時間が経った。

「まだ来ないの?外出たの失敗じゃん」

 無理矢理俺が連れ出したことについに不安を飛ばしてきた。

「悪かったよ」

「別に怒ってないし。どうするまたどっか行く?」

「そんときに来たらどうすんだ」

「ここに座った時から思ってたんだけどここにいたら二人にバレない?」

「あ、」

 そうだった。俺らいるのは二人とも知ってるけど一応隠してるんだった。

「要にメッセ送っておくか」


 今どこにいる?由梨花が完全に寝たから帰ろうと思うんだが


 ちょうどよく要からメッセージが来た。


 もうでてる。帰りは俺が運ぶ


 わかった


「そろそろ要くるっぽいぞ。由梨花は睡眠中」

「そ、わかった。ならここでいいか」


 少しだった由梨花をおぶった要が出てきた。

「きたか」

「今日はありがとうなおかげでいい感じなった」

 表情のやかりにくい要だが、疲れている様子がうかがえる。

「一応観覧車から説明くれるか?」

「観覧車乗せたら正確変わったかのようにテンション上がってコラボスポットでマシンガントークされた」

「へーそれにしては落ちるの早いね」

 由梨花は好きなことを一方的にぶつけると疲れを感じず俺らが無理矢理阻止しないと無限と会話ができる。いつもなら会話が苦手なはずが好きなことの時のレパートリーは相当エグい。

「移動途中一瞬会話が途切れてぶっ倒れた」

 疲れは蓄積される我に帰った時その疲れが一気に発散される。結果。眠りにつく。いつもの由梨花だ。

「で、どうだった?」

「お前らがいないと無理だ。今回は環境がよかったから対応できただけ。何もない普通の場所だったら前と同じになるだろうな」

 結果から言えば要のいう通り今回はコラボに助かったと言っていいだろう。とは言え事前準備をしてれば当日はいなくてもらなんとかなる。今日なんてどうすればいい?というよりは由梨花は行方不明とか由梨花はダウンとか由梨花アクシデントの対応ばかりだったし。

「次は予定しっかりたててなるべく俺らと連絡無しで行くのがいいだろう。会話とかは慣れればなんとかなるだろうし」

「わかった。また頼む」

「了解」

「ってことで解散ってことで。要君帰ろっか」

「だな」

 そういえば朝はしれっと俺と同じ方向にいたが本来であれば要ルートなんだよな。

「じゃーな」

 俺は由梨花を受け取り二人と解散したのであった。

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