第11話 デートに遅延があるとは初耳だ
新庄の予想通りだった。ほんの数分で由利花を見つけることが出来た。俺らが行くのもいいが要が追いつくと複雑になるし要に連絡しほかのとこにいかないか監視をすることにした。
「すごいひとだかりだな」
「そりゃ告白した場所の再現スポットだしね」
目の前にある光景を見て何を言っているのかがまったくわからない。この遊園地のすごいところは実際に再現した場所をいろんな場所に配置できるようになっていることだ。今でいえばメリーゴーランドの外装がイメチェンされている。ほかにもゴーカートのコースなどいろんなアトラクションでしている。
ここにあるスポットは和の建物が燃えているような場所を再現しているらしい。折れた剣がささっている完全に殺伐している。
「ここでどういう告白を?」
「普通にだよ。剣ひとすじだったヒロインの神楽が聖騎士の光君に剣をはじかれて告白されるの」
世界観がぐちゃぐちゃしている。神楽って完全に和の人に見えるし聖騎士といわれう洋のような。それに二人は戦ったうえで主人公が告白する。ぶっ飛びすぎてる。
「ここまで殺伐するか?」
「原作はもっとすごいよ。大炎上してたし。そりゃ神楽は炎の剣士だからね告られてテンション上がって自宅位燃やすでしょ」
さらにすごいな話だな。もうついていけない。
「わからんからもういい」
「でしょうね。しっかり原作を見るとわかるんだよ。今度由利花から借りな」
「安心しろ絶対ない」
ここで読んだらハマればいいがハマらない場合は由梨花からのハマるまでの解説が始まり逃げ道を失う。俺は由梨花の好きなものは避けて通らなばならないのだ。
アニメの話をしているとようやく要が現れた。
「お、ようやくきたね」
「これで一安心だな」
合流するとつかさずスマホを要に渡す由梨花。フォトスポットでの記念撮影をしようとしているのだろう。
「何やってるの?」
「俺が知るか」
しかしスマホのカメラを構えたところに由梨花がいない。要の横で細かい指示を出している。
「納得したみたい」
ようやく撮影するのか。
「新庄さんこれは再現とかですか?」
「ごめん私もわからない」
状況はただ再現した背景を要に取るよう指示する由梨花となっている。由梨花は小さいため高い位置からの撮影は困難。それに対して要は背が高い。高い位置から取るならちょうどいいのだ。だからアニメでも高い位置からの演出があるからそうしたのかと思ったが視聴者の新庄ですら理解できないとなるほんとの謎だ。
「とりあえず要にメッセおくろ」
「なんで?いい感じじゃん」
「あれはいい感じではなく由梨花が一方的にテンションが高いだけだ」
要からしたらこれすらもいいかもしれんがそれなら別に近場でも見れる光景。わざわざ遊園地きてまですることではない。
由梨花を無理矢理に引き剥がしてどっか乗った方がいいぞ
既読だけがついた。
「お、ひっぱった」
しかし、由梨花はなぜか抵抗している。完全に親に引っ張られる子供だぞ。どんだけこの場所好きなんだよ。
「お、おー」
「やば」
要は一度諦めた。それを見て由梨花は力を抜く。しかしそのタイミングを要はのがさない。つかさずお姫様抱っこをして抵抗力をそいでいる。
「周りの視線流石にすごい」
周りにいるのはいわゆる少女漫画ファンが多い。要と由梨花の今の光景は演出にしか見えないんだろう。驚きの中にときめきを感じてる人も少なくない。
さすがに由梨花も暴れたら自分が危ないのをさとってるのか抵抗はしていない。
「私たち必要だった?」
「事前準備だけでよかったかもな」
事前準備段階で何個か作は要とたてていた。そのため対応力は前より断然良くなっている。なにより由梨花のテンションが壊れたおかげで会話の積極性がえぐい。コラボで少し早くなると思ったが思っていた以上の効果だ。
「ここからアニメが削がれたらって感じだな」
「強引に引き離したもんだからねいくらどこ行ってもコラボだと言ってもテンションは落ちてるでしょうね」
なんかりょうちゃんなみに強引なんだけど
由梨花からメッセージが飛んできた。いつもの俺とならそれ以外に終わらせる方法がないってくらいその場から離れないからお姫様抱っこは流石にしないが無理矢理別の場所に引っ張っいる。
「さっしよすぎない?」
いつもの俺理論だけでいくとすぐにバレそうだな。説得は簡単だが日を重ねて継続すると考えると一発目で悟られるのはまずい。
「少し対策する」
少しイレギュラーすぎることがあってスタートが遅れたがようやく本来のプラン通りのデータになりそうだ。
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