第9話 幼馴染への信頼(デート開幕直前)
ついにこの日が来た。由梨花と要の遊園地デート。
手はず通り由梨花のほうからデートの誘いを行った。もちろん俺と新庄はその文言は把握ずみである。
とりあえずはうまく付き合っている人の会話にはなっていたと思う。
あとは要からのプラン相談にのり計画もいい感じにまとまってきた。あとは互いに本番を迎えるのみ。さすがにここまで立てるかってくらいしっかりとした形にしてしまったからアニュアルすぎて逆に不自然になるかもしれんが、それはそれで一歩目としては大成功と考えている。
それと新庄には要の方のことも話してある。バレないとは思うがバレた時だけならいいが二人に気づかれるのはまずいし。そういうのを隠すのは得意な奴だから。
「はーはー」
電車の中で大きく深呼吸をする由梨花。彼女自身物すごく緊張している。
「大丈夫だよね」
俺の袖を握る手から震えを感じる。
「大丈夫さ。俺を信じる。何かあったら全部すっぽかして助けに行く」
「ありがとう」
震えはまだ感じるが落ち着いたのわかった。「そこの付き合ってない二人いちゃつかない」
普段通りにしていると隣から物凄い真顔でじっとこっちを見る新庄から指摘がとんでくる。
「そんなんじゃないから」
握った手が離れそのまま後ろを向いた。なぜ照れてるんだこいつ。そういうことしてるから新庄にからかわられるんだからな。
「お前は降りたら解散だろ?」
新庄は近くで用があると最初に言っていた。そのためサポートをするのは電車に乗る時までとうかがっている。
「え、何言ってるの?」
「いや、用事って」
「嘘に決まってるじゃん」
「え、おま」
「うんだから、私も見守るよ」
先ほどとは打って変わって満面の笑みを俺にぶつけてきた。
「心強いというか不安というか」
「安心して、私はみてるだけ発言してもそれを伝えるかは僚友に委ねるから」
こいつがこんな真面目なようなことをいうと不安でしょうがないんだが。ま、こいつのこんとんはわかる。本来の予定よりと要と由梨花に二枚鋏はれて大変そうな俺を優先してくれたんだろう。本人は口にしないがこいつの本当の姿は優しいから。
「そろそろ着くね」
「うん」
「そんな構えんなって普段通りでいればいい。困ったんならあいつを頼ればいい。カバーしてくれると思う」
事前に指導ずみである。なんかあれば俺が要の方にいうだけでさらにいい感じになる。
「う、うん」
返事しか返してこない完全に緊張してるやろ。実質初めてのデート。これくらいがちょうどいいのかもな。
駅に着くとロボットの用な歩き方で電車降りる由梨花。緊張しすぎてガッチガッチだ。
「私先行ってるわ」
「ちょっ」
「こんな状態で行かせられないでしょ。だから任せたわ」
さっそうと新庄がいなくなった。
「何緊張してんだよ」
「え、なに?」
やばい俺の声すらまともに聞き取れてない。
「怖いのか?」
「・・・」
今度は無言で下を向いた。
「ま、お前は普通に生活送ってねーからな」
「むかえ、きてくれる?」
「は?」
「どこにいってもきてくれる?」
俺はさっしたやはり中学の時をねにもっているようだ。
「その程度のこと今更聞くとは」
「だって」
こいつなって人を信じるというのがどれほど重要なことなのか俺からしたらわからん。
「お前が俺に付きまとう間は一緒にいてやる。安心しろ。俺から離れるようなことはしない」
こいつにとって要は付き合いたい対象。こいつはあの告白の日俺の言葉で行動できた。それは俺を信じているからだ。だが、実際付き合い二人きりの状況を俺や新庄が作るようになってから少しずつ気づき始めた。俺といる時間は減り、やがてなくなるかもと。このタイミングでこのことで今の状態になった意味は俺にはわからん。だけどこいつとってはコンディションを崩すほどのことなのだろう。
「だから。俺のことは気にするな」
「守ってねその言葉」
「数少ないお前が信じれる人間を信じろ」
「わかった。なら今日よろしく成功させたいから」
「そのために俺がいる」
「ま、りょうちゃんのでるまくがないくらい上手く行くかもよ」
とりあえず調子は戻せたようだ。
「調子乗んなこの非常識オタク」
「なにそのあだ名ひどくない?もういい私も行くから」
これでまず最初壁である、俺と由梨花を引き離すは解決したそうだ。
こっからは本番ってわけか。
じゃま。俺も行くとするか。
「いやー面白いもの見たわー」
由梨花エスカレーターで降りて行くと逆の方のエスカレーター付近から新庄が戻ってきた。
「おま」
「全部聴いてた。いやー幼馴染っていいね恋人よりも深い関係?信頼関係気づいてるんだねー」
「いいからこっちもいくぞ」
「あいよ。シンデレラの終わりの時間は私たちが引き伸ばさないとだしね」
普通に表現がうまい。つまり新庄からしてもあの二人の動きよりもこっちからの支持の方が大事ってことだな。
ふられてから意味わからん立場になったがこごが由梨花離れの第一歩。俺も頑張らないと。
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