第8話 第一回作戦会議 要編
ここからは作戦会議の後半戦。俺と要二人での会議だ。今回は対面ではなく電話での会議となる。
「まずはデート先だ。俺は遊園地がいいのではないかと思う」
いったん由梨花たちと話し合ったことは隠しつつうまくプラン通りにことを進めていく。
「なるほどあいつは遊園地好きなのか」
「いや、そういうわけではないが買い物とか行くくらいなら接しやすいかもって感じだ」
正確には由梨花は遊園地は嫌いな方だ。人混みが激しいからと避けて通るような場所だ。なお、俺がいれば基本的に大丈夫な奴だから俺には見せない一面ってやつだ。
「さすがプロだな。羨ましい」
やめてくれ。確かに俺は由梨花のことなら誰よりも詳しい。だからただ年数があるからだけで幼馴染になりゃあいつは結構わかりやすい性格している。
「なら、誘っておくか」
「待て待て誘うのは由梨花からだ」
「なぜだ?」
「お前が遊園地は単純に怪しいし気を遣わせる」
要が遊園地は確実に気を遣わせるに決まっている。一回目ショッピングモールで失敗したのにさらに失敗しそうな場所をあえて選ぶのは怪しい。それに、由梨花が選んだ本来の理由。それを知ってしまった以上余計気を遣わせると思う。
「わかったならならまつ」
「それでいい」
すごい単純だ。めちゃくちゃ信頼されてるって捉えればいいか。
「あとはあいつの好きなアトラクションを絞らないと」
「由梨花なら絶叫か?」
あいつの性格上ジェットコースターとか大好きなよう気もするが全くの逆。
「あいつはな静かなもんが好きなんだ」
俺もあいつはジェットコースターとかゴーカートのようなものが好きかと思っていた。だが、実際は観覧車が1番好きであまり激しい動きのないゆっくりとしたアトラクションが好きだった。
「は?」
「その反応が普通だな。とはいえだ。多分お前なら嫌とは言わないから一回ジェットコースター乗ってみればわかる。多分ぶっ倒れる。あとはおぶれば解決ってわけだ」
俺には絶対にできない光景を要なら見れる。それはある意味あいつだけのものになる。そんな俺にはない由梨花の姿をあいつが見れればいいと思う。
「お前悪だな」
「うん」
自然と笑顔になっていた。思ったより俺は悪い心を持っているようだ。おそらく由梨花限定で。
「ま、考えておく。それで遊園地1日いればいいんか?」
「それでいいと思う。あいつのことを思えりゃきっと道は切り開けるとおもうぜ」
あえて由利花の目的のことについては触れないことにした。要なら気づけるし、そのあとの行動としてはあいつ自身が決めるべきだ。その時はどんなにサポートを頼まれても無視するつもりでいる。
「了解だ。ほかには何かあるか?」
「あとは別に遠隔で話せるから大丈夫だろう。細かいことを言えば昼はちゃんと食え。適度に休憩をしてやってくれ。ドリンクはお前もあいつの分をもって適度に飲ませてあげてくれ。走り回るとばてることが多いので行動は余裕をもつように。長蛇の列を並ぶのはあいつは平気だ。あとバッテリーは持たせるがお前も持ってい行ってくれ。連絡は通じないと悪いので迷子想定して待ち合わせ場所は決めたほうがいい。多分迷子なったらそこにはこないから観覧車みたいにどこからでも位置が分かるようなところがおすすめだ。あと」
「まて、多い。把握できん」
「おっと悪い。俺が直接対応できない分お前には相当負担かかるが我慢してくれ。なれればすごい楽だから」
「付き合えるきがしない」
「頼むぜ」
過去を思い出す。そうだ。あいつと仲良くするようなやつはいなかったわけではなかった。ただ、こいつ一緒にいるだけで誰しもが疲れあきれられいつの間にか関係が壊れている。由利花自身は気にしてないのだがその少ない時間は俺もほかのやつといたっけか。っま過去の話だし。要がそいつらと似たようなやつではないと思う。だが、心配になる。
「まとめたら繰り返すことだ。あいつは人づきあいができない。だから相手に迷惑をたくさんかけるとおもう。いくら俺がサポートできてもやっぱり仕切れないとこもある」
「安心しろ。お前が思うような未来にはならない。それくらい覚悟なく告白なんてしてない」
「そうか。とりあえず頼むわ」
「まかせろ」
何を焦っているんだ。中学の時みたいになるわけがない。それは俺が一番わかってる。なのになんでこんな心配の気持ちが強くなるんだ。体の震えが止まらねー。
「俺からはこれくらいにしておくか。お前から何か聞きたいことあるか?」
「いや大丈夫だ。事前にいろいろ聞けて良かった。ありがとう。やっぱお前はすごいな。場所選びとかまでしっかりと想定した場所選んで」
全部由利花が考えた計画をあたかも俺が作ったかのように話しているだけだが。そう見えているのなら問題はなさそうだな。
「あとは本番だ。なるべく一人で頑張ってみるがきつかったら頼む」
「まかせておけ。必ず大成功にしてやる」
あの日と違って俺も新庄だっているなんかあっても俺らが動けば保てるはずだ…
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