5


「というわけで、住ませてくれないか、少年」

「あ?」俺の方が年上だっつの。

「いやいや、俺はセントラルから来たわけだから、居場所が無いんだよ、このままじゃあ雨風しのぐ家すら見つからないで三年も経たないで死んじゃうよ!」あいつは言った。

「まあ、こんなボロ家でいいならいいけどさ」俺が住んでいる家は両親が住んでいた家だった。リバティから捨てられた資材を基に、作った物を売る店と家が合体している、ボロいが大きさはそれなりにある。両親は俺が五歳の時に死んだ。もっと長く生きて欲しかった。優しくされた記憶は、残っている。それが残酷にも俺の寂しさを際立たせた。幸い、ボロ街や自然の人間は助け合って生きていたので、多くの人が俺も気にかけてくれ、今日まで生きてこれた。

「やったー!!!」あいつはそれはそれは喜んだ。俺も一人でずっと寂しかったし、誰かと暮らすのは悪くないと思っていた。それがいきなり綺麗な女だったので、ドキドキしてしまっていたが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る