第14話 猫には、やっぱりマタタビ

 楽しい宴会の時間がやってきた。

 園田の傍にはリサとレミが侍り、酌をしている。


 猫娘たちは猫缶を食べて、すっかり有頂天になり、踊りだす始末。

猫缶あれを与えたのは、間違いだったのじゃ?)

 不安げな園田をよそに、夜は更けていく。


「食料は確保してますから、安心して下さいね。」

 甲斐甲斐しく食べ物をとっては、園田に手渡すリサ。

「そうじゃ、そうじゃ、妾に感謝なのじゃ!!」

 何をどう感謝したら良いのかわからないが、魚と山菜の料理は山のように準備されている。

 調味料の効きもよく、酒のアテにはうってつけだった。

「大丈夫よ、もう、篭に入れませんから。」

 そう言って、上機嫌のユイが酒をついでくれる。

「あ、ありがとうございます。」

 そう言って、注がれた酒をいただく園田。

 こころなしか、肌の露出が多くなり始めているユイ。

 他の猫娘たちも、揃って肌の露出が目立ち始めている。


 園田がトイレに立つと、レミが寄り添うように付いて来る。

「なんだレミ、お前もトイレかい?」

「まぁ、そんなところ。」

 振り返るとリサも付いて来ている。


 その後ろから、ユイたち猫娘が取り囲むように付いて来ている。

 用を足しヤブから出てきた園田を待っていたのは…

 リサとレミ!

 そして目の色が明らかに変わっている猫娘たち。


「は、はい??」

 園田の酔いが一発で覚める…。

 と同時に、園田をスマキにしてしまうリサとレミ。

 スマキの園田を担ぎ、ハイ○ースへ走り出すリサ。


「これ以上、妻が増えては、敵わんからのぉ~。」

「仰る通りです。」

 リサの傍を走るレミが呟けば、リサも頷く。


「あぁ~~、ご主人さまぁぁ~~~。」

 甘い声色で、ユイを先頭に猫娘も付いて来る。


「うぶぅぅ~、ぎ、ぎもぢばるいぃ~~~。」

 スマキで揺らされ、すっかり悪酔い状態に突入する園田。


「よし、主をキャリアに放り上げるのじゃ。

 小娘たちは、妾が抑える。」

 スマキをハイ○ースのキャリアへ放り投げるリサ。

 レミは、ハイ○ースの周囲に障壁を展開する。


 障壁から中に入れない猫娘たちが、甘ったるい声を出しながら、周囲をウロウロしている。

 全員が婚姻色のような様相を呈している。


「まったく、主は何を与えたんだか?」

「そうですよ。これは、明朝あさいちからコウジさんをお説教ですね。」

 意気投合するレミとリサ。

 そして、猫娘たちの甘ったるい声色を、最悪の泥酔状態で聞いている園田…。

 だったが、悪酔い状態のまま、彼は就寝してしまう。

 園田のイビキ声が聞こえ始めると、猫娘たちも、興が冷めたのか、三々五々自分たちのゲルへ帰って行った。

「収まったようですね。」

「そうだと良いんじゃがのう…。」

 結局、リサトレミはハイ○ースの傍で一夜を過ごすことになった。


 ◇ ◇ ◇


 朝の日差しに照らされて、スマキの人が目を覚ます。

「あ、あれ?

 何でスマキになってるの?」

 ゴソゴソ動いていると、リサがキャリア越しに園田を覗き込んでいる。


「お、おはよう、リサ。

 …この状況って何?」

「何?

 っじゃありませんよっ!

 何だったんです昨日の騒ぎ?

 コウジさん、心当たり有りませんか?」

 リサに怒られ、昨晩の事を思い出そうとする園田…

 なのだが、泥酔前後の記憶がさっぱり抜け落ちている。


「す、すいません。」

 スマキから開放された園田さん

 リサとレミに平身低頭なのだが…。

「謝るのは構わんが、あやつらをどうするのじゃ?」

「どうする?」


 レミに促され村落を見る園田。

 猫娘たちを見ると、ゲルから顔だけ出し、誰もが赤面状態。

 ユイの娘たちだけが、OL姿で村落を闊歩している。


「ひょ…ひょっとして。」

 園田の返答にリサとレミが頷き、園田さんの顔が蒼白に…。

「とりあえず、衣服を準備するのじゃ。」

 レミに促され、服を探し始める園田。


 程なくしてOL制服を見つけてくるのだが…。

「なんじゃ?

 この服は?」

 レミが手に取ったものは、シースルーのベビードール。

「そ、それは…。」

「やったぁ、戦利品っ!!」

 同じような服を多量に持ち出し、颯爽と逃げていくリサ

「…。」

 言葉を失う園田。


「とりあえず、小娘どもに服を届けてくるのじゃ。」

 レミに促され、各ゲルの住人に、OL制服を配って回る園田。

 彼女たちも申し訳無さそうに頭を下げて服を受け取った。

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