第9話 ただ、幸せになりたかっただけ・・・

この頃から、不安定によりできた人格たちが表に出てくることがありました。


中には自傷行為で腕を鋭利な刃物で切る人格も現れてきました。

他にも、偏食でチョコレートしか食さない人格。

高飛車な性格の人格。

五歳くらいの幼い女の子の人格。

本当に色々でした。


私はその時は強制的に中に入れられて表に出ることができませんでした。


人格が腕を切り、私に戻ってから泣きながら看護師さんによく助けを求めました。

この人格たちは私が生み出してしまった副産物です。


この時に私は自分をここまで追いつめていたんだということが理解できました。


私は沢山の人格を抱えながら、障害の勉強もしていきました。

医者が本を貸してくれて担当の看護師と一緒にその勉強を行っていました。


でも、向き合うようにはなっていったけど、どんどん悪化はしていったのです。


当時、私には短大の時にお付き合いをしていた方とは別れて別の方とお付き合いをしていました。

でも、今考えれば、私は当時病んでいたから「負の感情」が同じ彼と付き合っていただけで、彼にとっては私は「都合のいい彼女」だったのです。


彼は私をいいように使っていました。

最初は働いていましたが次第に働かなくなっていきました。

私が「どうして働かないの?」と聞いたら帰ってきた答えは呆れた答えでした。


「だって、働いていたらユウナが何かあった時にすぐに飛んでこれないじゃない」


私は正直「は?」って思いました。


私は一人暮らしではありません。

元気な親と暮らしています。

私が何かあった時には親が動いてくれていました。


それなのに「仕事もしないで、何言ってるの?」と思ったのです。


当時の恋人は、私を理由に働くことを拒否していたのです。

その方の家は特に生活に困っていなかったので、働かなくてすんで自分の好きなことができる環境に身を置くために、私を利用したかっただけなのです。


その方にとって、私が障害者であることは都合が良かったのです。

その上、良くなっては困ったのです。

私はその方のねちねちとした心身を病む行動で心がどんどん病んでいきました。


そして、病み過ぎて体がまともに動かないときも出てきて私は障害者一級の認定を受けました。


でも、それが彼の狙いだったかもしれません。


地域によっては一級の人と結婚すると地域から祝い金が出る所があるそうです。

その額もわりかし大きな額みたいでした。


そして、仕事もしていないのに結婚しようと言い、「僕の実家で暮らそうよ」と言ってきました。

もちろん断りました。


そして、次にその方がしてきた行動は「強引な妊娠」でした。


私は寝ているところを襲われて身籠ってしまったのです。


彼にもその家族にも、私は手術で子供が産むことができないことは伝えてありました。

でも、妊娠が分かってその方もその両親も「何とかして産めないか?」と言ってきたのです。

もちろ、私の親がそれを断固反対して私は子供を堕胎しました。


その方は私を利用して、ただお金が欲しかっただけなのです。

私のことなんかすこしも愛してなかった。


ただ、「障害者の私」を利用したかっただけだったのです。


なので、私はその方に何度も別れてと言いました。

でも、その度にお金を要求されました。


「日本の憲法で恋人の一方的な別れ話はお金が請求できる」


そう言いだしてきたのです。

でも、そんな法律は存在しません。


私は正式なプロポーズを受けたわけでもありません。

それなのにその人はそういう言い方をしてきたりして、別れまいとしてきました。


私がどんどん壊れていきました。

そこへ、あまりの横暴な態度に我慢ができなくなったユウヤが表に出てきたのです。


ユウヤはその方が面会に来た時に会い、私の気持ちを代わりに代弁しました。

その言葉でその方は怒り狂い面会室の壁を叩きました。


その音にびっくりして看護師が飛んできて患者でもない彼を制止させました。


そして、そんな問題を起こしたその方は面会謝絶となったのです。


こうして、ようやっと私はその方から逃れることができたのでした。


一度だけ、その方から家に電話があったみたいですが親は特に対応しなかったそうです。


そして、退院して家に戻ってももしかしたら彼が家に押しかけてくるかもしれないと不安に感じ、私は病院で知り合った方の家に行くことになりました。


でも、それは大きな過ちだったかもしれません・・・。


ちなみに治療の経過途中でユウヤは「解離性同一性障害」により生まれた人格だということが分かり、全く別の人格だという認定がされました。


私は病院で知り合った人と一緒に暮らし始めました。


でも、早々に私は苦しむことになるのです・・・。

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