第5話 大学生になって・・・

大学生になり、私は県内の田舎の方にある大学に進学しました。


私の夢は小さな子供の先生になるのが夢でした。

どうしても、その夢が諦めきれなくて私は「幼児教育学部」に進学しました。


大学と言うより、正確には短期大学です。

でも、教室は大学と同じ教室を使うことがあります。

大学の方は共学ですが短大は女子短大でした。

なので、講義中は生徒は女子しか教室には居ません。


でも、いざ講義が終わり校舎を出ると沢山の男子大学生がいるのです。


私は高校が女子高ということがあり男子にあまり免疫がありませんでした。

なので、最初は私は男子がいるという状況になれるのに時間がかかりました。


そして、私は講義を受ける席が何処でもよかったので一番前に座り、教授の声が聞こえやすい場所で講義を受けていました。


でも、その私の行動が一部の女子に目を付けられてしまいました。


ある日、私が講義を終えて教室を出ようとすると同じ学部の女子グループに声を掛けられました。

その女子たちはこう言いました。


「私たち、さっきの授業で聞き取れなかったからノートがうまく取れなかったの。だから、さっきの講義のノートを貸してくれない?」


その時、私は本能的に「この人たちは危険だ」と感じました。

きっと、私を利用しようとしているんだろうと感じ取ることができました。

だから、私は丁重にお断りすることにしたのです。


「申し訳ありません。ノートをお貸しすることはできませんのでご了承ください。これからは、教授の聞こえる所で授業を受けたほうがよろしいのではないでしょうか?この学部に来たってことはあなた方も先生になるために来ているのでしょう?もし、先程の講義が再度聞きたいのであれば教授に直接訪ねることをお勧めします」


私はそう言ってその場を去りました。


そして、この後から彼女たちの「いやがらせ」が始まったのです。


私は部活に入っていました。

大学の方で行っている部活です。

その為、男子学生の方がたくさんいました。

短大からもこの部活に入った方がいたので女子学生の方もいました。


私がこの部活に入ったのは、入学式の時に勧誘を受けたのは確かですが、ある女子学生の先輩がとても優しい方で「お姉さん」みたいな感じですごく暖かだったのです。

私はその先輩がいる部活ならと思い、そこの部活に入ることに決めました。


そして、その部活で新一年で入った女子は私だけだったので男子学生の先輩も女子学生の先輩もとてもよくしてくれました。

妹のようにすごくかわいがってくれました。


「いやがらせ」は私が大学内で休み時間に部活の男子学生の先輩と話をしていると、後で「男好き」「男たらし」とか悪口を言われました。

時には呼び出されて、いろいろな暴言を吐かれました。


「大人しい顔してとんでもない男たらしね!


 誰にでも足を広げてるんじゃないの?」


もちろんそんな事実はありません。

彼女たちは言うだけで特に行動であったわけではないのでそのまま放っておきました。


でも、その事をそのままにしていたことでとんでもないことが起きてしまいました。


ある日、私はピアノ室の鍵を借りてピアノの練習をしていました。

そして、練習をしている時です。


ガチャ!


突然、扉が開いて一人の男子が入ってきました。


「あの、ここは今使っているのですが・・・」


そういった時でした。


その男子は私を押し倒してきました。


「最後までしないから安心して・・・。ちょっと気持ちよくさせるように頼まれただけだから・・・」


私は抵抗しようとしましたが恐怖感で抵抗ができませんでした。


そして、私は壊されたのです。

これがまず、私の中での一つ目の「破壊されたこと」です。



事が終わり、私は放心状態でした。

でも、行動は何処か冷静で私は乱れた服を整えました。


そして、自分に言葉を掛けたのです。


これは悪い夢・・・。

現実じゃない夢なんだ・・・。

知られちゃいけない・・・。

こんなことを知ったらお父さんとお母さんが悲しむ・・・。

だから、知られちゃいけない・・・。

これは夢・・・。

全部全部悪い夢・・・。


大丈夫・・・。

私が誰にも言わなければ誰も傷つかない・・・。


私はこのことを誰にも言わないことにしました。

そして、何事もなかったように家に帰りました。


普通なら出来ないことかもしれません。

きっと、私はその時に壊れてしまったのでしょう・・・。


この頃から、壊れた歯車のようにいろいろな事が起き始めました。


この出来事の時、私は精神世界でユウヤが苦しんでることに気付きませんでした。


それくらい私はこの件で心をやられてしまったのです・・・。


ただ、悲劇はこれで終わらなかったのです・・・。

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