第4話 高校生の時の話

私の通う高校は特殊な女子高でした。


私は中学三年の時に手術で長期入院しました。(何となく覚えています)

その為、退院して学校にいたら授業についていけなくなって一気に成績はダダ下がりしました。

でも、私には「夢」があったのでその実現のためにはどうしても大学に行く必要があったのです。

なので、私は大学に行くためにその高校を選びました。


県外にあったので、朝はものすごく早起きして帰りは遅かったです。

今思うとよく出来たものだなーと自分で感心してしまいます。


高校は同じ境遇の子が沢山いて、沢山の子と仲良くなれました。

そして、高校一年の時です。


ひょんなことでユウヤが私の体を使って表に出ました。

確か、クラスの子にちょっとからかわれていた時だったはずです。


そして、ユウヤが表に出てきて仲の良い友達がこう言ったのです。


「君は誰?」


びっくりでした。

その友達は「どうしたの?」ではなく、「誰?」と聞いてきたのです。


ユウヤがどう返事するべきか戸惑っていると、友達が更に言いました。


「ユウナじゃないよね?だって、ユウナの表情じゃないもの」


そして、ユウヤは観念して自分が私の中にいる存在だということを明かしました。

でも、そのことに友達は驚きとか全くなく、むしろ、そうだろうね、というような返事だったのです。


「そこまで私は馬鹿なつもりは無いからね。君がユウナではないことは分かるよ。そして、幽霊が取り付いてるわけでもないことも分かっている」


私は驚きました。

まさか、そう言ってくれる人がいるとは思わなかったからです。


それから、他の友達にもユウヤのことを紹介することになりました。

みんな、口を揃えて言いました。


「確かに全く違う人ね」


そして、そんなへんてこな私を受け入れてくれたのです。

中にはユウヤのことをえらく気に入って「デートして!」という子もいたくらいでした。

高校ではユウヤの存在は、友達の中で「ユウヤは誠実で男らしい人。男の中の男」

というくらいある意味人気がありました。

おそらく、私の見た目がその頃は髪はショートで顔立ちが元から中性的なこともあり、よく男の子に間違われることは多々あったのでユウヤが出ている時は男の子にしか見えなかったそうです。

友達のお姉さんも休日に遊びに行ったときに男の子に間違われて(友達の希望でユウヤとデートしたいという希望だったので格好も男の子の格好でした)紹介してと言われました。

身長も当時では低いというわけではなかったので、友達によっては兄のブレザーを持ってきたとかで撮影会とかもしていました。

もちろんモデルはユウヤにしてもらいました。


高校は私にとってもユウヤにとってもとても楽しいものでした。


「話が分かる友達」というのはここまで一緒にいて楽しいのだなと思いました。


ちなみに余談になりますが、ユウヤのことを気に入って、ユウヤが肉体を持っていたら本当に彼氏にしたかった、という声はそれなりにありました。


そして、私は高校を満喫しながら勉強を頑張り、希望の学部の大学に進学することができました。


しかし、県内の大学にしたので友達とは離れ離れになってしまいました。


そして、その大学で私はまたある意味逆戻りの人生になってしまうのです。


次から大学の頃からの話になります。

この辺りから私の人生はどんどん壊れていきます・・・。

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