第9話 ジヴァニア

俺はバイクにまたがり、加納さんの

所へ向かう。行きながら、

あちらで必須となりうる物を買いそろえた。


俺はアーチェリーを買った。

合計で約20万円ほどだった。

勿論クレジット払いだ。すまぬ店の人。


他にも様々な所で買い物をした。

刃物も5種類。

様々な用途に合わせて買った。

勿論、全部違う店でだ。

一カ所で買うと通報されちまう。


他にも調味料も買った。

アウトドア一式はテントを含め

俺が持っていた物を

アイテムボックスに突っ込んである。


色々と考えながら買い物をした。

ソーラーパネル式の充電器や

バッテリー。まぁスマホは使えないが

用途はある。


ガソリンも満タンにする。

携行缶でも持っていきたいが・・・。


小型の発電機やスピーカーやマイク。

もうありとあらゆる物を買いまくった。

使うかどうか分かんないものさえ。


多分、100万円を超えたが

クレジットの上限には届かなかった。


「母さんはなんでこんなカードを

 持てていたんだ・・・。」と

俺は少し疑問に思った。


買ったものをバンバンと

アイテムボックスに放り込む。


そして加納さんのマンショの

駐車場に着く。一台のバイクが

眼に入る。

「美香さんも来ているのか」


俺は自分のバイクと共に美香さんの

バイクもアイテムボックスに入れた。


「・・・。貸してもらおうか。

 俺のバイクがガソリンが切れたら

 こっちに乗ろう」と。


ドアの前に立つと勝手に開いた。

エレベーターに乗ると勝手に動いた。

んで、開いた。


加納さんの部屋の前。うん。

勝手にドアが開いた。


中から声がした。

「靴のままでいいよ~」

・・・俺は靴を履きなおした。


「あら勇樹君、久しぶり~♪

 それともジェニ君でいいのかな?」

相変わらずの、少し綺麗系の女性。

これでヲタクじゃなかったら

モテてるだろうに。


美香さんも知ってるのね、俺の名前。


「初めまして、ジェニエーベル様。

 私はコルンと申します。

 以後、お見知りおきを。

 今はユキちゃんと呼ばれております。」


凄く丁寧な言い回しだ。

ユキちゃん?・・・え?ふと見ると・・・。

うぉ!ユキモリ型が動いてる!喋ってる!


奥に加納さんが座ってる。

俺は早歩きで、ズカズカと言うのだろうか。

加納さんの前に立ち、

挨拶もせずに言い放った。


母さんを連れて行く!

あんたなら出来るんだろう!?

あんたも!あっちの世界から来た

転移者だろう!だったらどうにかしろ!


「ジェニエーベル様落ち着いてください。

 今、ベル様は少しお疲れに

 なっておられます。

 もう少し後からお話をしても」

そうユキちゃんが言ってきた。


めっちゃ敬語だった。

ジェニエーベルってそんなに偉いのか?

まぁロボットと人間だからな・・・。

そういった力関係か。


「勇樹、いやジェニエーベル。

 ミネルヴァの事は残念だった。」

そう言うと話をつづける。


何度も何度も止めた。

しかし、あの子は絶対に作ると

聞かなかった。


聞いたことがある。

昔、貴方と逃げていた時に

自分の力でジェニエーベルを

助ける事が出来なかったと。


だからこの刀を作るのだと。

私が魔力を込めて、この刀を

ジェニが使う事で私は守る事が出来る。


私はこの刀となっていつまでも

ジェニエーベル様と共にいる。

共にいる事が出来るから作るのだ。と。


「刀は持ってきただろうね」と

ベル様は言った。


頷く俺。


「本当は」と言うとベル様は

私はこの者たちとあなたをあちらへ

転移させる為に全ての力を、この命を

おうと思っていたが、

ジェニエーベルがそう言うんじゃあね。

方法を考えましょう。


そう言うと思案をする。


「とりあえずお茶でも飲みましょう、

 ジェニ様♪」

後ろから美香さんが俺をつかみ、

強引に椅子に座らせた。


ジェニ様って、絶対からかってるだろ。

と俺は「勇樹と呼んでくださいよ」と

お願いしたら笑っていた。


母さんの事や買い物の事を

色々と話した。ユキツーも聞いていた。



加納さん、いやベルさんが言う。

「美香の魔力を借りようか」


本当はね、私の体力を魔力に変換して

あんた達を送ろうと思っていたんだ。


「それ死んじゃうじゃないか!」と

コルンは言った。


勇樹も目を見開く。

「なんであんた達はそこまでするんだ!」

とベルに向かって言う。


「そりゃアンタがジェニエーベルだからさ」

とベルは真面目に言った。


「俺は何者なんですか!」と勇樹は

加納さんに聞く。

「聞かなかったかい?あんたは

 リーラの国の王子様だよ。」

と答えた。


「あんたがエアスト大陸に帰って

 リーラを復興させる。それも

 ミネルヴァの願いだ。

 答えてあげないのかい?」

とも付け加えた。


転移の方法を話すベル。

魔方陣は書いたので残るは

魔法の詠唱。その魔法を唱える

事に体力を使おうと思った。


しかし、ミネルヴァを向こうに送る

という仕事が増えちまったので

私はまだ死ねなくなった。


だから、美香の魔力を使う。

死なない程度にドレインを行う。

「協力してくれるかい?美香」

そう言うと美香さんを見る。


美香さんは「もちろんよ」と

ウンウンと頷いている。

「私も勇樹の母さん、希望さんと

 友達だったしね」とも言う。


じゃあやり方と今後の事を

伝えるよ。そう言うとベルは話をつづける。


私は美香の魔力を吸い、それで

詠唱をする。美香は多分、動けないほどに

なるだろうが。


貴方たちを送った後にミネルヴァの所に

行き、転移をさせる。

勇樹の刀を、ミネルヴァの強い魔力を

目印にそっちに飛ばす。


シンの森と言う所に行きなさい。

そこは精霊たちにあふれ、受ける場所として

最適だろう。4日後だ。そして時刻も合わせる。

そう言うと時計を渡す。


「ちょっと美香」と言うとヒソヒソと話す。


「私が!?出来るの?でもやりたい!

 私頑張る!」とそれはもう興奮する美香さん。


「ほんの少しのズレで失敗するかもしれない。

 頼んだよ?美香。」とベル。

「あぁ、そうだった。あなたは向こうで

 ジヴァニアと名乗りなさい」とも言うと



「いやよ、言いにくいし。美香でいいわ。

 まぁ必要になったら使うわ」と美香さん。


























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