『Fさんの場合』
『これは、すべて、フィクションです。特にモデルもありません。なお、職場のいじめに関しては、厚労省のホームページを、参照しました。』
Fさんは、典型的な、職場のいじめに、あっていました。
それも、多方向から。
先輩の中には、自分の子分的な役割を強制してくる人があり、それは、仕事以外にまで及びました。
複数の先輩がたが、絡んでいたようでしたが、それは、ある種の、試練というような、感覚だったようです。
Fさんは、器用なひとではないので、耐えられず、しかし、収入も必要で、なかなか、雇ってももらえない時代で、とにかく、上司に相談しました。
上司は、当たりは、サービス業のプロらしく、柔らかいものの、あくまでも、会社優先のひとです。
上司は、結局、当人から話しは聴いたようでしたが、それだけで、おわり、おかげで、いじめは、さらにキツくなりました。
労働基準監督署には、総合労働相談コーナーがあり、実際に、Fさんも、相談に行ったのですが、会社側が協力しないため、簡単ではなく、Fさんは、そのまま、行方不明になりました。
事故だったのか、自決だったのか、わかりませんが、遺体が海で見つかりました。
じつは、いじめていた人に呼び出され、慰謝料を要求され、さらに、身体をこずかれた時に、崖から落下したようでした。
上司は、呼び出した社員さんたちの、ありばいを、主張しました。
警察は、すでに調べを進めていて、担当刑事さんは、たぶん、遠からず、事実に突き当たるだろうと、思われましたが、いかんせん、証言が得られず、また、証拠探しも、なかなか伸展がありませんでしたし、その会社の社長さんは、地域の有力者で、さまざまな審議会とかで、警察署長さんや、さらにその上司と親しく、そんなことは、あり得そうにないと、互いに話していましたような。
ぼくは、多少、内部で力が出来てきていたこともあり、幽霊派遣庁は、Fさんを、現世に派遣することにしました。
関係者さんたちに、積極的に働きかけて、事実を話すように、自ら説得するということに、したのです。
結果的に、勇気を出して証言する人が現れました。
いじめていた方たちは起訴されて、しかし、いまだ、争っております。
さらに、その会社は、公共事業の入札を巡る不正問題まで、出てきてしまいましたが、また、Fさんの気が、それで、済んだというわけでは無かったようなのですが、幽霊派遣庁の仕事は、そこまでに、いたしました。
Fさんは、まだ、現世に残っております。
こんなことは、お話しの中だけにしたいものです。
『幽霊派遣庁』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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