第38話軍事会議

その夜、マリー先生が軍事会議を召集した。軍のトップであるリチャード将軍がびびっておりますが、果たしてマリー先生何者ですか?



マリー先生の指示でリチャード将軍が大きな机に地図を広げた。



「現在、我がランスは防戦一方なのは、何故か?」



「はい!マリー閣下。広範囲への雷撃を得意とする敵将がおりまして、船で迂闊に近づけば…。」


 マリー閣下って?リチャード将軍は国王にも対等に話すくらい尊大な将軍だぞ。我が国の英雄だしな。



「感電死するということですね?」



「はい!」


 リチャード将軍が最敬礼する。国王にも儀式の時しぶしぶやるやつだよね。心からの最敬礼怖いわ。



「ならば、どうする?エスメラルダ。」


 マリー先生、怖いよ。急に私に振らないで。


リチャード将軍が睨んでるよ。



「はい!船に絶縁体を貼りつけるであります!」


 リチャード将軍が怖いので最敬礼しながら答える。


絶縁体で覆ってたら、乗組員は感電しないよね。



「周りは水だらけだ。船を絶縁体で覆っても、今度は濡れた甲板を雷撃が狙う。雷撃で船を沈められたら乗組員は、感電死する。」


 八方塞がりですのね。パーシヴァル様、流石ですわ。素敵。



「雷撃、海戦では厄介だな。しかし、朗報だ。」


マリー先生が、私を指差した。



「エスメラルダは、視認した距離まで凍らせることができる。相手の軍艦の舳先を凍らせよう。もうじき冬だ。季節も味方する。」


 そうね。寒いと凍らせるエネルギーが少なくて済むものね。



「しかし、魔力が。」



「足らないなら、補給すればいい。それにあちらの港は狭い。凍らせるのにそんなに労力は要らんよ。」



え?嫌よ。補給には魔力を持つ人と接触しなくてはならないじゃない。知らない相手と接触なんてしたくないわ。


思い切り拒否の表情を浮かべた私に、マリー先生は、パーシヴァル様を指差した。



「こいつの、魔力量は無尽蔵だ。貰うが良い。」


マリー先生、人格が魔王化していますが。大丈夫ですか?



「私、やりますわ!」


そんなご褒美頂けるならよろこんで!魔力補給は、是非キスでお願いいたします。


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