声の設計図
私は、作品を執筆する際に必ず意識している点がいくつかあるのですが、その中で登場人物たちの放つ台詞に「声」を当てながら仕上げていきます。
今作の初回の時に、好きな俳優さんをモデルにして作中に息を吹き込んでいくとお話しましたが、そこには動作の一つに声をスポットとして色付けをしついきます。
書き手の皆さんは普段声の意識というものを持ちながら執筆する方はいらっしゃいますか?
読み手の方々も同じように意識することはありますか?
簡単に見えて実は結構これが労力を使うんです。
漫画の場合にも人物像の意識はあっても、声色がいくつも変えながら書き上げていくのはどこまで意識しているかはその方次第になります。
私は声を当てていくと同時にそのモデルになっている俳優さんの発声や音色を思い浮かべていきます。
台詞の言い回しもその人ならどういう風に発するだろうかなどと、一緒になって台詞も読んでいきます。
実際私が声に出して台詞も読む事もあります。
場合によっては言いづらい言葉もあるのでそこは飛ばして次の言葉を読んでいくようにしています。
声に出す時は誰もいない場所で行ないます。
ある種の配慮というものですね。
声の設計図ができていくと、人物の音域や呼吸も併せて脳内に録音するように下書きに執筆して、全て撮り終えたら、"再生"=つまり初めからひと通り読んでいきます。
それらの当て書きが必要となくなってしまうと、無音無色の世界でただ言葉だけがその上に載っているだけになります。
一筆終えると改めて読み込んでいき、一人芝居にならないように、語順を変えたり、人物の魅力的な癖・わざと贅肉をつけてみたりと、工夫を施す作業も行なっていきます。
背景描写が引き立つようにそれだけ声(音)の存在も必要不可欠になってきます。
執筆を続けていると色々なことに気づかされる事が多いし、学ばされる事もあります。
独りよがりにならずに他の方々の作品も拝読して再び自分の定位置に戻る。
それを繰り返しながら良い傑作が生み出されれば新たな発見にもつながっていくんです。
継続は力なり。
先人さんの名言にあやかりながら今日もひたすら己と向き合っていく次第です。
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