第16話 成行の新しいクラスメイト

 唐突に社長が持ち込んだ二週間後の大型イベントでブースを借りて声優カップルチャンネルの参加が決まって三日後…

 先日の成行達の社長のハリーが述べていた通りミッシェルが転校して来た。

 成行のクラスに


「おぉー!すげぇ~美人」

「スタイル良い!」

「お人形さんみたい」


 などクラス内に様々な声が飛ぶと教師が生徒を静止し、話を進めた。


「君達に新しい仲間がこのクラスに加わる事になった。自己紹介を頼めるかな?」

「はーい!マカセテクダサイ!ハーイ!皆さん、初めまして私はアメリカから転校して来たミッシェル・スミスと言います!これからよろしくお願いシマス!皆と仲良くしたいですぅ~!」


「という事でミッシェルさんだ。アメリカ住まいが長く日本の文化やマナーに疎いそうだが困っていたら助けてあげるように!」

「おぉー!成行!グッドモーニング!」

「やぁ!僕と同じクラスになったんだね。これからよろしく!」


 と結構クラスでは影が薄いから恐らく気付かれ無いと油断していた成行は気づかれた事に動揺していた。

 そんな成行を他所に担任教師は気軽に成行にミッシェルが話しかけている光景を見たので知ってる奴と近くの方が良いと思い


「なんだ君達、知り合いなのか。なら丁度左隣が空いてるからミッシェルは平木の左隣の席に行きなさい。」

「ワカリマシタ!センセイ」


 まぁ、そうなるだろうなと予想していたのでその状況に成行は開き直った。


「こっちですどうぞ。」

「アリガトウ成行」

「お父さんにも世話を任されてるんで何か分からないことがあったら聞いてください。」

「OK!」


 と成行の左隣になることが決まったホームルームから色々あり

 教科書の見方、分からない日本語のレクチャー、ノートの取り方など教えて行きながらも時は進み、お昼や休みになった。

 するとここぞとばかりにクラスメイト達がミッシェルに話しかけてきた。


「ねぇねぇ!ミッシェルさんって何か美容に関する事何かやってるの?」

「芸能人なの?」

「好きな男子のタイプは?」

「彼氏っていますか?」

「海外生活ってどんな感じなの?」

「O-MAIGA-」

「あの~みんな一旦落ち着いて!!いっぺんに話しかけられてミッシェルさんも困ってるから」


 成行が間に入って静止して呼び掛けたので周りも落ち着いた。


「とりあえず、一人ずつ話していこう!皆」


 と日頃の成行の賜物なのかクラスメイト達は成行の進行に従いながらミッシェルと話して行った。

 そんな事をしているとあっという間に昼休みが終わりまた授業が始まり

 次の科目が英語だったのでミッシェルが今日一日の間で一番輝いてそして今日受けたどの科目よりも出来ていたというより出来過ぎていた。

 そして授業を終え、放課後

 昼休みに話せなったクラスメイトと他所のクラスの外国人転校生を見に来る生徒が集まった中、皆と交流したいというミッシェルの気持ちを成行がくみ取り、

 放したいと要望する人の為にクラスに残って話し合っていた。


「海外生活でそんな事があったんだね。ミッシェルさん」

「ソウナンデスよ!あの時はどうなるかと思いマシター!ワタシも」

(良かった。ミッシェルさんも今日、一日見たところちゃんとクラスに馴染めそうだしイジメとか孤立はなさそうだ。でも…)


 コソコソとこっちを見ながら話している男子グループが居た。


「平木とミッシェルさんの関係って一体何なんだ!彼氏なのか、ただ単に仲が良いのか!どちらにしても羨ましいな!畜生ぅううう!」


 などと聞こえてきた。


(本当の事実はただ単に社長に面倒を見てやってくれって頼まれただけだがこんな事言っても何かとめんどくさそうだし。本当の所は僕の胸にしまっておこう。)


 そんな事を心に秘める成行なのであった。

 そんな事をしていると成行のスマホの連絡が入った。

 相手は琴美からである。


 やっほー!成行君

 学校終わった?今後の親睦を兼ねて想火ちゃんも誘ってミッシェルさんの歓迎会をこの後しようと思ってるんだけどやろうと思ってるお店まで連れて来れるかな?因みに想火ちゃんには連絡は私から入れてて来れるってさっき返信貰ったから想火ちゃんと先に合流して待ってるから成行君はミッシェルさんお願いね!


 と来た。

 それを見て成行は心の中でこう思った。

 (まぁ歓迎会で親睦を深めた方がミッシェルさんも早く仕事に馴染めるだろうしね。)


 とりあえずもう少ししたらミッシェルさんと向かうねと送るかと思った成行は文章を打って送信ボタンを押した。


 一方その頃送られた琴美は


「ん?なになに、もう少ししたらミッシェルさんと向かう。かぁ~何とかなってそうで良かった。やたら不安がってたから歓迎会でもやって少し休ませてあげようかなって考えてたけど余計なお世話だったかな。まぁとりあえず、向かっておこうかな。も少ししたら想火ちゃんとも合流するし」


 と絶賛、先に目的地に向かう所だった。

 そしてクラスメイト達も落ち着いて来たので成行がクラスメイトに声を掛ける。


「皆!もうそろそろ終わっても良いかな?明日も学校あるしまた機会がある時に話してくれたらいいなぁって思うんだけど」

「まぁ、そうだな」

「確かにそうだね。明日にしよっか」


 と各々が納得して帰って行くクラスメイト達。


「ミッシェルさん。これから事務所の同世代で集まってミッシェルさんの歓迎会をしようと思ってるんですけどどうですか?」

「オー!それは凄く嬉しいです!イキタイデス!!」

「では、場所は僕が知ってるんで行きましよう。」


 と成行の案内で歓迎会をする為にいつも使っているカフェへと学校から向かった。

 そして目的地へと着き、店の扉を開けるとこっちこっちと琴美が手招きする。


「こっちだよー!二人共。」

「オー!琴美ー!誘ってくれてアリガトネ」

「いえいえ!成行君お疲れ様!」

「ありがとう琴美さん」

「紹介するわね。ミッシェルさん。こちら同じ事務所の私達よりも一学年下の水瀬想火ちゃん。」

「あ、あの!は、はっ初めまして!よろしくお願いします!」

「オー!ミス、ソウカ!ヨロシクネ!」

「はーい!それじゃあ自己紹介も済んだ事だし!これからミッシェルさん歓迎会を始めますー!!とりあえず乾杯ー!!」


 と琴美の掛け声と共に始まった。

 そして二時間近く各々の日常のあるあるや仕事に関する事などを話してこの日は帰ったのであった。


              

             続



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