第15話 社長の娘と社長の無茶振り

 事務所へと着いた僕達三人。

 流石に行けないと言っていただけあってまだ、社長は事務所に帰って来ていなかった。


「この後どうすればいいんだ」


 と成行が悩んでいると琴美が成行に声を掛ける。


「とりあえず、社長に無事着いたって文面で連絡してみたら?」

「あっ!そうだね!ナイス提案だよ!琴美さん」


 と琴美のアドバイスをもとに社長に報告した。

 それまで休憩室で待つことにした。


「ミッシェルさんは今回何をしに日本に来日したんですか?」

「そうデスネ。一年前くらいに私にパパが連絡してきてその時、私はパパとは離れて暮らしていたんダケド今までママの所に私は居たんだけどパパが一緒に住みたいとお願いしてきたから私も、パパとたまにしか会えてなかったから私も一緒に住むことに決めマシタ。」

「そんな事情があったんですね」

「ソウナンデス」

「とりあえず詳しくは当事者同士で決めるべき事だと僕は思いますけどね」

「まぁ、確かにそうよね。お父さんと会ってからどうするかは聞いてください。私達はこの後の事は何も聞いていないので」

「そうですか。ワカリマシタ。」


 微妙な空気を何とか変えようと成行は


「とりあえず、飲み物買ってきますよ!僕、良ければ二人の分も」


 と成行が飲み物を買いに行こうとして二人に聞くと

 琴美は、カフェオレ

 ミッシェルは、炭酸飲料と言ったので買いに行った。


「それにしてもなかなか帰って来ないな…お、連絡来たそろそろつくからもう少し頑張ってってまったく…まぁ、しようがないか」


 と連絡を確認してから飲み物を自販機に成行は買って休憩所に戻った。


「おかえり!成行君」

「ただいま。はい、これ頼まれてた飲み物。ミッシェルさんもどうぞ」

「THANK YOU」


 それぞれが各々の飲み物を飲んで一息つくと思い出したように成行がさっきの社長のハリーから連絡があった事を二人に伝えた。


「じゃあそろそろ、帰って来るのね。良かったわ。もう少ししたらお父さんに会えますね!ミッシェルさん」

「はーい!楽しみデース」


 今飲んでいる飲み物の話を飲みながらして過ごしているとさっきから話題に上がっている社長が遅れてきたヒーローみたいな顔して僕達の前に現れた。


「ふっ、待たせたね君達…私が業務から戻ったよ!」

「お!やっと社長が帰って来た!もう困りましたよこの後どうすればいいか分からなくて!」

「もう本当に大変でしたよ!私達、頑張ったんですからね」

「パパ!久しぶり〜!!」

「おぉー!!娘よ!久しぶりだね!よく来たね!無事着いて良かったよ!」

「うん!ママが凄く心配してたけど送り出してくれたから!パパ、私これからどうしたらいい?」

「その事なんだが、パパが住んでいるマンションに来ないか?そこから学校とかも通って貰って構わないよ。」

「分かったよー!じゃあパパのマンションに荷物持ってイクネ!」

「一応ママと話し合ってるから引越しの荷物の手配はもうしているようちのマンションの方にね。でも娘にサプライズがしたくて黙ってたがね!それに学校の申請もしてあるよ!成行君の学校にしておいたから彼に何かと頼るといいよ!彼は凄く面倒見がいいからね。」

「え、ちょっと待ってください!?僕、またですか?またなんですか!?自信無いですよ…」

「大丈夫ですよ!君には想火さんの世話を焼いたという実績があるじゃないですか!」

「まぁ、そうですけど母国との違いを説明しながら日本の作法とかマナーとか教え切れる自信無いですよ僕…」

「大丈夫ですよ!自信持ってください!それになんでもチャレンジですよ。」

「そいうもんですかね…」

「レッツ!トライ!」

「ナリユキ!その時はよろしくね!」

「分かりましたよ…やりましょう!」


 とミッシェルの今後と成行のやることがまた一つ増えることが決まったのだった。


「あ、そうそう言い忘れていました。今日行った大事な打ち合わせがあってですねそれで決まったんですよ」

「え、何が決まったんですか?なんか嫌な予感しかしないけど」

「それってもしかして私達にも関係あります?」

「それは…勿論!関係ありますー!」

「マジか…」

「やっぱりな…」

「では、発表します!今日から二週間後に年に二度の大型の祭典でブースを借りてカップル声優チャンネルのブースと我々の事務所の何名かで呼び込みをする事が決定しましたので二人共頑張ってくださいね!」

「えぇー!?」


 毎度の事ながら凄い仕事を取ってくるなと思いながらも毎度予想外過ぎて驚く成行と琴美であった。


「そして、ミッシェル。君を我が事務所に迎えたいと思ってます。」

「WOW!」

「え!?それまた急ですね。社長!ミッシェルさんってそいう芸能系の経験あるんですか?」

「ありますよ。向こうの方で役者をしてましたからね」

「まさかの…でもミッシェルさんはそれでいいんですか?」

「はい!大丈夫です!私、演技する事好きだったのでそれをやめてここに来たのが心残りだったから…また大好きな演技がやれるなら頑張れるね!」

「本人がそう言うなら大丈夫そうですね。」

「後、そのブースのお手伝いで行ってもらうのは想火さんとミッシェルに頼むね」

「おぉー!なら私達と一緒に仕事出来ますね!ミッシェルさん。今後もよろしくお願いします!」

「私の方こそお願いシマス!」


 という事でミッシェルが成行達の事務所の仲間になった。

 そして二週間後に大きなイベントが控える事になったのだった。



 続





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る