第13話成行と人気声優な先輩
成行は悩んでいた。
声優カップルチャンネルは好調なのだが自分の声優活動はモブキャラばかりでメイン級のキャラを勝ち取れなくて悩んでいた。
「はぁ…何で俺メインキャラを勝ち取れないんだろう…」
「お、何か悩んでるのかい?若人よ」
「そうなんです…ってえ!?界人先輩なんでここに居るんですか?」
「え、今日、仕事さっき終わったからこの後どう過ごそうかと思ってた時に悩んでいる若人が居たから先輩として相談に乗ってやろうと思って声を掛けたまでよ!」
「それはありがとうございます。先輩人気で忙しくてせっかく休めるのに僕の事気にしてくれて」
と成行に声を掛けた人物は「松岡界人」成行達と同じ所属でこの声優事務所の看板の人気声優である。それ故に常に忙しいのである。成行とは現場や新人研修の時期に面識があるのである。
「いいってことよ。俺も昔先輩に色々助けてもらったし、俺も後輩の為に何か出来たらっていう自己満でやってるからそんなに気にしなくていいよ」
「じゃあそのお言葉に甘えて相談良いですか?」
「おぉ!なんだなんだ言ってみ?なんか俺にやってあげられることがあるなら力貸すよ。まぁ俺に出来る範囲で、だけどな」
「全然大丈夫です。実は、なかなか大きな役を貰えなくてどうしたらいいんだろう…今のままじゃダメなのかなとか色々悩んじゃって…どうしたらいいと思いますか?今引っ張りだこの界人先輩に聞きたくて」
「なるほどなぁ~いや、懐かしいね。そういう悩み、俺にもあったよ。あの頃は色々試行錯誤してたっけな~でも、そいう日々を経て今に至ったからこそ今思えるし言える事があるんだよ。」
「なんですか?それは教えてください。」
「それはな…悩んで、悩み抜いて自分で見つけた、自分はこれだ!っていうやり方を見貫き通す事だと俺は思うんだよ。」
「な、なるほど。自分で出した答えを貫くことですか。まだちょっと僕には難しいかもしれないですね。でも模索してみます。」
「あぁ~頑張れ!応援してるぞどこかの現場でまた共演できるといいな成行君。」
「はい!共演して良い報告出来るように僕、頑張ります!」
「その様子ならもう悩みは大丈夫そうだな」
「はい!ありがとうございました!界人先輩」
「おう!俺も久々に後輩と話せて良い刺激になったよ。明日も仕事頑張るかな!そういえばこの前、社長から聞いたけど成行君と琴美ちゃん声優カップルチャンネルやってるんだってね。相変わらずうちの社長は斬新な企画を立てるねぇ~色々その年頃だと大変な事もあるだろうけど社長が新企画に起用するって事は焦らなくても良い仕事貰えると思うぞ!まぁいつどり頑張れ、若人よ」
「はい。頑張ります!今日はありがとうございました!」
「あぁ!またどこかで会おうな!じゃあな!」
と言い残し、松岡界人は去って行った。
その後姿を見ながら成行は気合と入れ直すように深呼吸して
「よっしー!!僕も頑張るぞー!!」
とこの日を境に成行はオーディションや声優カップルチャンネルの活動をいつも励んだ。そして自分は何の為にどうしたくて声優になったのか、自分の持ち味は何のかを研究する日々を過ごし、二週間が経った。
そして大きなバトル漫画タイトルのオーディションの日
「考えは、まとまったんだ大丈夫だ!きっと、今の僕なら良い結果を掴めるはずだ。最近雰囲気変わったんじゃない?って琴美さんや想火ちゃんにも言われたし後はぶっけるだけだー!!」
と家を出て、オーディションが行われるスタジオに向かった。
そして現地に着きオーディションの順番が回ってくるのを待つ成行、気になって何度もオーディション用の原稿を読む。
すると
「平木成行さん次どうぞー!」
「はい!」
中へ入り、指示の元こなす、成行
そしてオーディションの日から更に二週間後
結果の通知が届いた。
結果は・・・
【合格】
だった。
その合格したキャラはダブル主人公のもう一人の役だった。
「やったー!!やっと結果に出てくれた…」
そしてマネジャーからいつ収録があるのかを聞き
この後の声優カップルチャンネルの撮影があったので琴美にも報告した。
「やったじゃん!成行君。頑張ってね!放送されたら私見るね!」
「ありがとう琴美さん!」
撮影が終わり
「ねぇこの後想火ちゃんも誘って三人でカフェで成行君の合格祝いしない?」
「僕は良いよこの後空いてるし」
「想火ちゃんには事前に確認済みだからいつも所に行きましようか」
「いいよ。」
いつもカフェにて
「成行先輩、主人公の合格おめでとうございます!」
「ありがとう!」
「では、早速いろいろ頼んで盛り上がろう!」
「そうしましよう」
「こんな時くらい良いよね!そうしよう」
とこの日は盛り上がり切れのいい時間で解散した。
そして一話の収録日
「おはようごさいます!!皆さんこれから宜しくお願いします!」
と挨拶をしスタジオに入る成行すると
「あれ?成行君じゃんやっほー!」
と声を掛けてきたのは先日アドバイスをもらった松岡界人だった。
「界人先輩!こんんちわ。先日はお世話になりました!!」
「お、あの時に比べたら顔つき変わったね自分の貫きたいもの見つかった?」
「はい!自分の物事に対して切実に向き合うって気持ちを大切にしようって決めました。」
「そっか!ならこれからの収録も楽しみにしてるよ成行君」
「はい!一生懸命頑張ります!」
とやり取りをし少し経ってから収録が始まった。
因みに二人の作品内での絡みは上司と部下である。
こうして成行が少し成長したのだった。
続
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